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上映中

カイジ ファイナルゲーム (2019)

監督
佐藤東弥
  • みたいムービー 425
  • みたログ 1,748

2.88 / 評価:1,460件

4つのゲームそれぞれに難あり

  • 月光雀 さん
  • 2020年1月11日 17時00分
  • 閲覧数 4115
  • 役立ち度 37
    • 総合評価
    • ★★★★★

レイトショーにて鑑賞。

作品全体を通して、とにかく突っ込み所とご都合展開の雨あられ。
決して褒められた内容ではありませんが、敵をへこませるカイジ
の「勝ち口上」が結構良かったのと、役者さん達の演技力が流石
のクオリティだったので、最低まではいかない駄作という印象。

物語は東京オリンピックが終わった後の近未来。日本社会が抱え
る借金は1500兆円に膨らみ、円の価値が下がって物価が上昇。
失業率は40パーセント以上となり、富裕層と貧困層の差が顕著
となっています。なんか本当に「有り得そう」で、他人事とは思
えないリアリティがありました。

でも、のっけからこんなの見せられたら気が滅入るでしょ。

富裕層に搾取される貧困層の惨めな姿は、まるで近い将来の自分
を投影しているよう。とてものほほんと構えてはいられません。
こういう「鬱な未来描写」は、無駄に不安を煽られるだけなので、
個人的には全く面白いと思えませんでした。
まあ、ここから怒涛の如く嘘くさい展開が続き、フィクション性
が強くなっていくので、バランスは良いのかもしれませんが・・

そして次々とわざとらしく紹介されていく「カイジ」という作品
らしい4つのゲーム。いわば醍醐味です。
脚本には原作者の福本先生も参加しており、短い尺で観客を楽し
ませようという試行錯誤感は充分伝わってきます。
しかしどうにも練りこみが今一歩という感じで、自分はいまいち
ノリ切れませんでした。
その具体的な理由を、ネタバレ含めて1つずつ挙げていこうと思
います。注意をお願いします。

<バベルの塔>
これはゲームの設定に難を感じました。
人工の塔のてっぺんにあるカードを手に入れると、約10憶円が
手に入るというルール。過去には実際に大金を手に入れて、殺さ
れた者もいるらしい。
しかし主催者側の東郷は、後述する最後の審判というゲームの為
に少しでも金が必要という状況です。こんな安易に大金をばら撒
くのは愚の骨頂でしょう。実際に人が殺されているのに、続けて
いられるというのも不自然極まりない。
ただ単に「人生を変える極秘情報」だけを特典にするべきだった
と思います。

<最後の審判~人間秤~>
このゲームは、作品の中心的役割として展開されます。
様々な駆け引きや情報戦が入り乱れる、手に汗握る状況に成り得た
はずですが、観ている私のテンションはほぼ上がりませんでした。
やはり、いちいち大声で心情や状況を説明する、カイジら当事者の
やり取りが余りにも大袈裟で芝居がかっている為、感情移入がしず
らかったのが要因です。
色々用意されたどんでん返し的要素も、無理矢理感が非常に強い。
でも何より納得出来なかったのは、30万円の価値があるコインを
秤に投げ入れる「ファン」と呼ばれる者達です。
最初は全員で競い合うように黒崎の秤へコインを入れていましたが、
クライマックスでは何故かカイジ側の秤にコインを投げ入れる彼ら。

えええ・・何やってんの?

普通こんな行動取ります?
黒崎の秤にある数百万単位の自分の財産を捨てるという事ですよね?
賭けとして成立していないにも程がある。

「くろさきをやっつけろ~」じゃねえって。

<ドリームジャンプ>
カイジらしい命を賭けたデスゲームです。設定そのものは非常に分
かりやすいし、決着もあっさりつくので悪くないとは思うのですが、
やはり偶然現れた某人物に頼りすぎの展開が、急速に私の心を冷め
させました。
あんだけ大見得切って、結局自分の力で状況を打破しないというの
は、物語として純粋に面白くない。
「ラッキーガール渚」の薄過ぎる存在意義を、無理矢理確立させん
とするあの伏線回収も、ダサさ丸出しで非常に苛々しました。

<ゴールドジャンケン>
冒頭で、政治家が自分の進退を賭けて、あんな小っちゃい金を取ろ
うとする行動自体がまず不自然。
当然の如く人知れず行われているはずなのに、高倉がこのゲームを
行うのは有名だという設定にも違和感。
そもそもとして、カイジが何でこのゲームに挑戦したのかが良く分
からない。スーツケースの中身が既に「あれ」なら、結局政治家達
は法案を取りやめるしか無いはず。閉じ込めてその様子を撮影した
後は、ドアの鍵を開けてスーツケースを確認させればいいだけの話
なのでは?
こういうのは、きっかけに必然性が無ければ、緊張感が希薄になり
気持ちが全く盛り上がっていきません。
ゲームの内容は悪くなかっただけに、勿体ないと感じました。

総評として
クライマックスは結局、印刷屋が全ての立役者でカイジは何もして
いないし、ラストの展開もスーツケースの所在が意味不明で納得は
難しい。
でも最後のあのフレーズで「まあいっか」と思えたから不思議です。

お奨めは出来ません。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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