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SHADOW/影武者 (2018)

影/SHADOW

監督
チャン・イーモウ
  • みたいムービー 82
  • みたログ 317

3.53 / 評価:238件

86点:色彩の魔術師が描く水墨画の世界

  • さん
  • 2019年9月9日 3時38分
  • 閲覧数 925
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

「色彩の魔術師」と呼ばれるチャン・イーモウがあえて色彩を抑え、白と黒のグラデーションを基調とした水墨画のような世界を描く。

 領土の奪還とか、謀反とか、政略結婚とか、血生臭い内容なのになぜ水墨画なのか?
 それは、主人公が影として生きる男だからだろう。影には色がない。

 太極図の陰と陽の図が頻出するが、これも水墨画の世界を補完していて、見事な意匠となっている。
 白が陽で黒が陰であり、どちらかが飲み込まれるとグレーになるのだ。

 武器も傘から発想された「アンブレラ・ソード」とでもいうべきものの意匠が素晴らしく、そのビジュアルには感嘆してしまう。
 VFXはほぼ使用していない、とのことだが、集団でその傘をくるくる回して突っ込むシーンなどは本当にやっていたのか!

 本作は、チャン・イーモウらしく、ただのアクション映画に収まりきらない多様な要素に満ちているが、都督の影でしかなかった男がその妻と心を通わすシーンが最も心に響いた。
 その妻に扮するスン・リーがため息が出るほど美しく、男に心が移っていくその演技に魅了されてしまった。

 また、死期が近いと悟った都督が「一生の悔いが残るのは、政治と戦争に明け暮れ、天下一の美を愛でる暇がなかったことだ」と述べるシーンがあるが、それはよくわかる。私も、何をおいても身近にいる美しい女性を愛でることに注力したいと思っている。

 チャン・イーモウ監督の作品には色んなジャンルの物があるが、「HERO」「王妃の紋章」などの歴史物は特に素晴らしく、本作もその系譜に連なるものである。ストーリー、映像、演出、美術、音楽、全てが優れた見応えのある作品となっている。

 これで、チャン・イーモウの監督作品は19本見たことになる。
 順位を付けると、以下のとおりである。

1 HERO
2 あの子を探して
3 王妃の紋章
4 初恋のきた道
5 妻への家路
6 SHADOW/影武者
7 グレートウォール
8 紅いコーリャン
9 サンザシの樹の下で
10 LOVERS
11 紅夢
12 単騎、千里を走る
13 至福のとき
14 菊豆
15 ハイジャック/台湾海峡緊急指令
16 活きる
17 秋菊の物語
18 キープ・クール
19 上海ルージュ

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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