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ドクター・スリープ (2019)

DOCTOR SLEEP

監督
マイク・フラナガン
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3.48 / 評価:1456件

解説

スティーヴン・キングのホラー小説をスタンリー・キューブリック監督がジャック・ニコルソン主演で映画化した『シャイニング』の続編。一家を襲ったホテルでの恐ろしい出来事から40年後、生き延びた息子ダニーが遭遇する新たな恐怖を描く。『ムーラン・ルージュ』などのユアン・マクレガー、『ミッション:インポッシブル』シリーズなどのレベッカ・ファーガソンらが出演。『オキュラス/怨霊鏡』などのマイク・フラナガンがメガホンを取った。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

40年前、雪山のホテルで父親に殺されかけたことがトラウマになっているダニーは、人を避けるようにして生きてきた。同じころ、彼の周囲で子供ばかりを狙った殺人事件が連続して起こり、ダニーは自分と同じような特殊能力によってその事件を目撃したという少女アブラと出会う。事件の真相を探る二人は、あの惨劇が起きたホテルにたどり着く。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
(C)2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

「ドクター・スリープ」映画版「シャイニング」のソースを受け継ぎ、かつ原作の幹をむき出しにした超能力大戦

 「IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」を筆頭に、今年だけで4本もの映画が米公開(+配信)され、まさに“何度目だナウシカ”状態のスティーヴン・キング原作である。しかしこの「ドクター・スリープ」は、その中でも構えが異様だ。というのも氏のサイキックホラー小説「シャイニング」の続編にあたる本作は、スタンリー・キューブリックが監督した映画版(80)のソースとも結合するという、ユニークなスタイルがとられている。映画版は原作と比べ、途中ごとのテイストや結末を異にするが、今回の監督・脚本を担当したマイク・フラナガンはそうした齟齬を巧みに調整。「ドクター・スリープ」を小説のみならず、映画「シャイニング」の続編としても機能するよう、挑戦的な技芸をほどこしている。

 とはいえ「豪華だがエンジンのない高級車」と映画版を嫌っていたキングにとって、この折衷案は屈辱的なものだっただろう。そんな心情をはかってか、今回はキング原作の道筋に沿うようドラマが進行していく。かつてコロラドの展望ホテルで恐怖の体験をしたダニー(ユアン・マクレガー)のもと、同じシャイン(かがやき=超能力)を持つ少女アブラ(カイリー・カラン)が姿をあらわす。彼女は自分たちの能力を奪う邪悪集団トゥルー・ノットの存在を示唆し、やがてダニーは彼女と一緒に、連中との全面対決へと向かうことになるのだ。

 原作は成人したダニーが父ジャックの暗黒面を受け継ぎ、重度のアルコール依存症や、特殊能力の扱いに苦悩する姿が克明に描かれている。しかしフラナガンはそんな枝葉を削ぎ、正義VS悪の「ザ・超能力大戦」ともいえる幹をむき出しにした。こうしたキャッチーさも、それを好むキングへの配慮がうかがえるし、トゥルー・ノットの女ボス・ローズ(レベッカ・ファーガソン)の脅威的な存在も、対決モノとしての性質をより濃厚にしていく。

 だがやはり本作の注目点は、映画版「シャイニング」とのリンクがもたらす、悪夢的な舞台の再現だ。過去に我々が目撃した、展望ホテルや惨劇の幕開けとなったメインラウンジ、そして映画が独自に設定した巨大迷路などにふたたび足を踏み入れ、巨匠が創造した世界へとアクセスしていく。似たような試みは奇しくも「レディ・プレイヤー1」(18)が先行したが、あちらはCGだったのに対し、こっちは実際のセットを多用し、キューブリックの方法論を踏襲している。

 なにより観る者に能動的に映画を解読させていくキューブリックに対し、娯楽とサスペンスに準じた今回の続編は、あの「2001年宇宙の旅」(68)における「2010年」(84)のような存在といえるかもしれない。言っておくが、筆者は「2010年」に肯定的だ。(尾崎一男)

映画.com(外部リンク)

2019年11月28日 更新

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