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ホームステイ ボクと僕の100日間 (2018)

HOMESTAY

監督
パークプム・ウォンプム
  • みたいムービー 50
  • みたログ 86

3.71 / 評価:66件

あなたには人生を輝かせる色がありますか?

  • dr.hawk さん
  • 2019年11月1日 20時41分
  • 閲覧数 805
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

2019.10.31 字幕 テアトル梅田


2018年のタイ映画
森絵都原作の『カラフル』から着想を得たヒューマンドラマ
自殺した若者の身体に憑依した「僕」が若者の自殺の原因を探って行く物語
監督はパークプム・ウォンプム
脚本はトッサポン・ティットティンナゴン&チラッサヤー・ウォンスティン&アピショック・シャンタラセーン&エーガシット・タイラット&パークプム・ウォンプム


物語は主人公である「僕」が天からの声を聞くところから始まる

「あなたは受賞しました」

その言葉のあと「僕」が目覚めると、そこは病院の遺体安置所で、「僕」はミン(ティーラドン・スパパンピンヨー)の身体に乗り移っていた


ミンの前に現れた清掃人姿の管理人(ナパチャイ・チャイナム)は「二度目の自殺は救えない」と言い、看護師姿の管理人(チャーマルン・ブーニャサック)は「ミンの自殺の原因を探せ」「リミットは100日間だ」と告げた


物語は社会復帰をしたミンが「自分の自殺の真相」を探り出していく流れを描き、その中で「家族」「ピアメンター(タイの制度で後輩の面倒をみる先輩のこと)」「部活動仲間」との関わりを修復していくというもの


ミンは四人家族で父(ロジ・クワンザム)はよくわからないサプリを販売していて、母(スカン・ブラクール)は離れたラヨーンを行き来している

兄メン(ヌタシット・コティマヌスクニッチ)は自分のことを良く思っていない様子で、家には自分の部屋はなかった


翌日ミンは自分の部屋に強引に入るものの、そこには何も残されておらず、母からは「全部自分で処分したのよ」と聞かされる

自宅に手掛かりがないと知ったミンは復学し、そこで応援部の部員リー(サルダ・キアットクワット)に声を掛けられる

彼女から自分も同じ応援部で、自分のパネルアートだけが未提出だと知らされる

そしてボツになったミンのデザインを見て、彼が精神的におかしな状態になっていたことを知るのである


そんな折、ピアメンターのパイ(チャープラン・アーリークン)から手紙が来る

連絡の取れなくなった後輩を心配してのもので、パイに会ったミンは彼女に一目惚れをしてしまう

そしてミッションを忘れて、パイとの関係性を深めようと躍起になるのである

だがそんな彼に精神医姿の管理人(タネート・ワラークンヌクロ)が現れて忠告する

「回答は一度だけ。間違えば君は本当に死んでしまう」と


物語は「原因と決断」を描いていて、メンが持ち去った自分のパソコンから「遺書」を見つけたミンは「みんなに殺された」と誤答し、そして猶予のない最終局面にて「自分が原因だったこと」を知るという流れになっている

ミンを追い詰めた原因は「父の家族への無関心」「母の不倫」「兄からの拒絶」「パイの教授との行為」などが積み重なったものであったが、最終的に「自殺」を選んだのは「自分」だったことを知る

それはそう言った「原因に対して自分が見て見ぬふりをしてきた」ことを自認したからであり、後半のシークエンスでは「後悔をなくすため」にそれぞれの関係性を修復させようと奮闘するのである


父に対して怒りをぶつけ、母を軽蔑し、兄に謝罪をする

そしてパイに行為の終止符を打たせる

そして「愛されていない自分」を受け入れようとするのである

だがそれは間違いだった


それぞれの行動は自分を守るためであり、他者を守るためであり、そして自分自身の判断で行ってきたことを知るのである

そして付随する後悔

ミンは最後になってみんなの後悔を受け入れて、そして自分自身の未練と向き合うことになる

そうして出来上がったのが「陸橋で風に髪をなびかせるパイ」をデザインしたパネルアートだった

だがそのパネルアートは生前にミンが描いていたものと同じものだったが少し違っていて、その違いは「ミンに対する想いの方向性」だったのである


物語は「自分の過去を客観視する」というもので、それによって「見てこなかったもの」が見えて、それを正しい方向へ導こうとするミンが描かれていく

そうした中で紡ぎ出した答えは「天の祝福」を受け、残りの本当の人生を歩むチャンスを与えられる

自分を追い込んだのは自分であって、降りかかった要因は自分の意思で振り払い、その勇気は周囲の人間をも変えて行ける

その勇気があれば人生は光り輝き、祝祭のごとき鮮やかな光に包まれるのである


いずれにせよ、原作の設定を引用して紡がれた物語は「改変」ではあるものの「原作の主題」をきっちりと捉えていたと感じた

色彩が鮮やかなだけではアートは美しいとは言えず、そこに描かれた「心」に暖かな「色」を足していくことでより一層「カラフル」になるのだと思う

色は心である

方眼紙の一片に込められた想いは俯瞰してこそ芸術に昇華する

そのパラダイムシフトこそが人生を鮮やかにするパステルカラーなのだと感じた

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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