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1272020年1月24日公開

cyborg_she_loves

1.0

ゲイに対する偏見を助長する映画

この映画は、ゲイの人たちに対する理解や共感よりもむしろ、偏見を助長するんじゃないでしょうかね。  だって、この映画で迅と渚が抱え込むトラブルは、彼らがゲイだからではなく、ひとえに渚があまりにも無思慮で自分勝手な行動ばかりとっていることが原因で、起こっていることでしょう。  ゲイというのはこういう行動をとる人のことか、と思われたら、世の中のゲイの人たちはいい迷惑じゃないですかね。  世の中にゲイに対する強烈な偏見や嫌悪感が根強くあるのは事実です。しかしだからといって、この偏見に屈して、自分がゲイであることを隠して女性と結婚し、子供をもうけ、しかもその裏側で性欲を満たすために次々にちがう男性と寝る、ということを続けることが、許されるとは私は思いません。  渚の罪は、彼がゲイであることとは無関係です。ある男性が、社会的地位を守るために好きでもない女性と結婚し、その裏側で性欲を満たすためだけに次々に別の女性と寝る、ということが許されないのと、まったく同じ罪です。  ゲイを描く映画と称してこういう人間を描くことは、ゲイというのはこういうことを平気でする人のことか、という偏見を、この映画は普及させてしまうような気がします。  しかも、こんな理由で離婚を突きつけられた渚は、あろうことか、かつての「恋人」の迅のところへ何の相談もなく突然押しかけてきて、子連れで勝手に居候して、迅が子供の世話をするのを当然だと思って悪びれもしない。  どんだけはた迷惑なやつなんだ、渚ってのは。  こんなやつ、ゲイであるなしに関係なく、人間として私は許せません。  そんな渚を、最初は迷惑がっていたけどいつのまにか受け入れてしまう迅も無思慮すぎます。迅の方も、人間的に問題ありです。好きな相手ならどんな図々しいことをしても許してしまう、という人は、やがては必ず自分も相手も駄目にします。「劇場」という映画はそういう女性の物語だったなあ。  これも、迅がゲイであるなしとは関係のない、人間性の問題です。  というわけで、LGBTの問題に対する理解を得たいと思う人は、こんな映画は見ない方がいいです。

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