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上映中

台風家族 (2019)

監督
市井昌秀
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4.01 / 評価:1,216件

解説

『箱入り息子の恋』などの市井昌秀監督が、構想に12年をかけて自身のオリジナル脚本を映画化。両親の財産分与を行うため、久しぶりにきょうだいが集まって起こる騒動を、ブラックユーモアを交えて描く。一家の長男に草なぎ剛、次男に新井浩文、長女にMEGUMI、三男に中村倫也がふんし、彼らの両親を藤竜也と榊原るみが演じるほか、尾野真千子、若葉竜也らが共演した。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

銀行強盗事件を起こし2,000万円を奪った鈴木一鉄(藤竜也)と妻・光子(榊原るみ)が失踪する。10年後、いまだに行方知れずの両親の仮想葬儀をして財産分与を行うため、妻子を連れた長男の小鉄(草なぎ剛)、長女の麗奈(MEGUMI)、次男の京介(新井浩文)が実家に集まるが、末っ子の千尋(中村倫也)は現れない。空の棺を二つ並べた見せかけの葬儀が終わったころ、見知らぬ男がやって来る。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2019「台風家族」フィルムパートナーズ
(C)2019「台風家族」フィルムパートナーズ

「台風家族」シニカル&コミカルに描き出す「家族あるある」。底にあるのはヒューマニティー

 「箱入り息子の恋」の市井昌秀監督の新作。クズな一家、という宣伝文句から、もっと犯罪絡みのえげつない極悪一家の話かと思ったが、かなり違ってた。親の“葬儀”に集まったきょうだいたちが繰り広げるドタバタは、意外に普通の「家族あるある」なのだ。

 10年前に老年にして銀行強盗をし、2000万円を持ったまま行方不明になった父(藤竜也)と母(榊原るみ)。長男(草なぎ剛)、長女(MEGUMI)、次男(新井浩文)、三男(中村倫也)は世間の避難を浴び、それぞれに人生を変えられていた。10年経ったいま、彼らは区切りを付けるために親を弔うことにし、遺体なき葬儀に集まる。財産分与でもめたり、暴露話で険悪になったり。そんななか、驚きの事実が浮かびあがる――。

 父の起こした事件で人生を狂わされた4人だが、うらみぶしや暗さはなく、財産分与という生々しい話題もシニカルでコミカルだ。きょうだいたちが知らなかった老親二人の暮らしぶりや、父が事件を起こした理由などには現代社会の事情が絡み、ホロリとすらさせられる。

 「箱入り息子の恋」もそうだったが、市井監督は微妙に「いや、それはないでしょ(苦笑)」という要素をあえて入れることで、物語を構築するタイプのようだ。今回はラストに大きな「それ」が隠されている。「家族」を描くことを好み、役者選びのセンスがいいのも特徴か。元・お笑い(漫才)出身で、小説版は奥さまと共同名義で執筆しているそうで、ふと脚本家・木皿泉氏の世界への近似も感じた。

 新井浩文氏の登場シーンも再編集なし。さまざまな事情をかんがみつつ公開に踏み切ったのは、この映画の底にあるものがヒューマニティーだ、という理由に他ならないだろう。(中村千晶)

映画.com(外部リンク)

2019年9月5日 更新

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