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ジョジョ・ラビット (2019)

JOJO RABBIT

監督
タイカ・ワイティティ
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4.16 / 評価:2232件

◇今一度、ヘイトについて考えてみよう◇

真っ先に思うのは、
今作は、戦争、ホロコーストの悲惨さを、
ストレートに描いていないこと。

この映画のメインストーリーは、
主人公である、ヒトラーユーゲントに憧れた
ジョジョの成長の話。

今作を観て、2つ感じた事があります。

1つめは、辛辣な設定でありながら、
ファンタジーであり、ブラックコメディ色で仕上げたこと。

今作の監督兼、
ジョジョが空想するヒトラーを演じたのは、
ヒトラーが嫌悪する、
有色人種であり、ユダヤの血が流れている、
タイカ・ワイティティさんであること。

曲のチョイスも、見事。
冒頭のビートルズの
「Komm gib mir deine Hand」から、
エンディングのデビット・ボウイの「Helden」と、
この映画に似つかわしくない選択であるとおもいつつ、
見事にシンクロしています。

2つ目は、ヘイトについて、
色々と考えさせられてしまうこと。

ヒトラーユーゲントに憧れるジョジョ。
それは、ヒトラーユーゲントに憧れるが故の
純粋な想いから来ているのだから、始末が悪い。
ある意味、ヘイトの果てというべきか・・・・。

何故、ヘイトをするのか、
ヘイトの根拠となるものが、
如何にくだらないもので、不毛であるか・・・。

やっかいなのは、このヘイトが、
大衆主義と絡んでしまうと、
制御不能な大きな流れになってしまうこと。
そして、悲劇へと繋がっていく。
今作を観て、そう思うのです。

今作は、☆満点。
ブラックユーモアな内容ですが、
ラストシーンで、救われた感じがします。

戦争が終わり、ドイツが敗北して、
同時に、恐怖の中で隠れ続けてきた
ユダヤ人が解放された日。

そんな混乱した状況で、
ジョジョと、
ジョジョの家に匿われいた、ユダヤ人のエルサが、
デビット・ボウイの「Helden」に合わせ、
ダンスをするシーン。

エルサ曰く、
「抑圧された状況から解放されたら、一番にダンスを踊りたい』

何故、デビット・ボウイの『Helden』を
エンディングとして用意したのか?
戦争後。東西冷戦下で、ドイツが分断され、
抑圧と恐怖の世界に虐げられた、東ドイツ人へ、
『Helden』の歌詞に込められた、自由と愛への思い。
そういう背景を知っておくといいでしょう。

現実主義が当然である現在、
この映画が見せる、自由と愛と寛容さが、
淘汰されていると思うのは、私だけでしょうか・・・。

ヘイトで残るのは、
負の遺産であること。
過去の歴史から解る事なのですが・・・。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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