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ジョジョ・ラビット (2019)

JOJO RABBIT

監督
タイカ・ワイティティ
  • みたいムービー 837
  • みたログ 2,797

4.17 / 評価:2226件

男はみんなマザコン

  • a98***** さん
  • 2021年3月21日 10時10分
  • 閲覧数 459
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

中盤くらいまでは予告編の通りだったのに母親の処刑というド直球の悲惨さで風刺やコメディの空気が消し飛び、しかしあっさりと小綺麗な終戦と解放のエピローグで終わるため心に響くような重さはなく、風刺じゃなくてただのファンタジーになってる

前半は足元で手榴弾(訓練用とは言ってなかった)が爆発してふっ飛ばされても少年が軽傷(現実には破砕手榴弾は全方位に破片を撒き散らす殺傷力の高い兵器で、あれだと手足がちぎれて腹破れて内臓こんにちわしてもおかしくない)で「あ、ほんとにコメディ映画か。人が死なないギャグ世界か」という雰囲気なので現実感のない描写は「気にするほうが野暮だなー」とスルーできた

が、母親の処刑という現実感バリバリのシーンの後ではそうはいかない

「え?母親が反体制派として処刑されたのに主人公大丈夫なの?」
「ええ?少女が姉に成りすまして身分偽ってその後何事もないけど、ほんとにゲシュタポ騙されたの?少女自身もまたアイツら来るとか言ってたのに?」
「えええ?架空の街が舞台なんだろうけどあんな市街戦があってソ連兵がナチス捕虜を虐殺してる街ならユダヤ人でもお構いなしにソ連兵に強姦されてるし、米軍だけの占領地域でさえ餓死者続出だったのに、戦闘終わったその日にそこまで穏やかなんスか?」
「ええええ?なんかゲシュタポまで捕虜になってるけど、アイツら日本の特高が公安になったのと同じで裁かれてないでしょ?そのまま米ソ冷戦の諜報戦に再就職して年金もらって天寿まっとうしたじゃん?」
とアレコレ気になってしまう

ボーイ・ミーツ・ガールとしてもナチ少年とユダヤ人少女の描写より少年と母親の方が重い・・・というか母親処刑のインパクトが全部持っていくので甘酸っぱさを感じる余裕がない。それくらい明るくてたくましく母の死はキツい描写だった
なのに反対にユダヤ人少女はゲットーに隔離されて餓死寸前になったとか家族がトイレはバケツ1つの家畜貨車で強制収容所に送られたとか悲惨なことは語らないしナチス少年の狂信ぶりにもそこまで憎悪は見せない上、離れ離れの恋人や愛について語るので悲惨さは軽い

っていうか少年の母親が処刑されたのを知った夜に屋根裏の窓から顔だして空爆眺めるってどうなの?監視大好きゲシュタポおじさんナメてるの?母親の死が自分のせいじゃなくても「わたしが見つかったらこの子まで殺されちゃう……」と自分から出ていこうとか思わないんスか?と、なんか浅ましく見えてしまった

少年も少年で、自分が信奉してたナチスの体制の手で母親を処刑されるってアイデンティティ崩れる出来事なのに、自己嫌悪の言葉ひとつなくユダヤ少女に「愛してる?」とか聞くので、ラストはただの気持ち悪いマセガキにしか見えない

映画としてはドイツ人が英語ペラペラの違和感以外は全体的によく出来てるけど、風刺なら風刺、悲劇なら悲劇で徹底したほうがよかった
こんなのがアカデミー候補に上がるって、ユダヤ忖度抜きにしてもアメリカ映画の質下がったなと思う。さすが地球平面説を信じてる人達が割といる国は違うぜ

あと少年の空想の友達であるヒトラーも単なる舞台装置に過ぎないので、コメディ寄りのヒトラー映画なら「帰ってきたヒトラー」のほうがオススメ

詳細評価

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