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犬鳴村
2020年2月7日公開

犬鳴村

HOWLING VILLAGE

1082020年2月7日公開

p_k********

2.0

ネタバレ楽しめました!

想像力を掻き立てる「良作」でした。特に皆さんおっしゃるように、後半の展開がもう支離滅裂で、その開き直り感がとても貴重です。 前半はあの女の子の不可解な死と、主人公に見えてはいけないものが見えちゃう現象が繰り返されますが、主人公の後ろなど視野外に幽霊がチラ見えするのは、この手の映画にとても「あるある」ではあるものの、怖いものは怖いので、一応のスリルを味わうことができます。 この作品の後半に、一般に幽霊と目されていた人物が実体化します。この点からこの作品全体を読み解く必要があります(なお、主人公の特殊霊能力によって幽霊の手首を掴んだと考える説もあるかも知れませんが、そこまでの特殊能力についての説明はないことから、この説は採用しません)。幽霊実体化はあり得ないことから考えて、あの青年は幽霊ではなくて、犬鳴村が存在した時代からタイムスリップしてきた実体ある人間であると考えられます。実はこの作品に出てくる幽霊は、全編にわたり登場する主人公の患者の男の子の死亡した母親と、ラスト近くにトンネル内に現れる、前半に落下して死亡した女の子の二人だけであり、時々出てくる犬鳴村関係者のみなさまは、全てあの犬鳴トンネルという実はタイムマシーン(タイムトンネル)により現代にタイムスリップした人たちなのです(消えちゃったりするなど説明がつかない部分は主人公の幻覚と整理)。 あの青年が主人公にカラーフィルムを見せますが、あの当時にカラーフィルムはほぼないという指摘があるかも知れません。しかし、それは現代から過去に持ち込んだビデオカメラで撮影した映像に、古く見える特殊加工を施したものなので、何ら不自然ではないのです(もちろん過去にビデオを持ち込んだことが物語内の(裏)設定として存在するという意味です)。 そして、ラスト近くのトンネル内の出来事は特筆すべきです。ひたすら渾身の前衛ダンスを披露する女に対し、前衛ダンスが嫌いな主人公の弟が必死に妨害します。主人公と末弟は、彼女のキレキレの前衛ダンス見たさに後ろ髪引かれ、トンネルから立ち去ろうとしません。しかし、弟の(文字通り)必死の妨害のために、ついにダンス鑑賞を諦めて2人は現代に戻ります。 あのトンネルの前に現れたり消えたりするブロック塀は、もちろんタイムマシンを(中途半端に)隠すためのドア装置です。ボタンを押すと収納されます。 あ、そうそう、弟の友人(子分?)の3人の若者を死なせた電話ボックスはもちろんタイムマシンを守るためのブービートラップであることは言うまでもありません。 全てが理路整然と整理をつけられるこの映画ですが、しかし、ラストであまり必要のないタイムパラドックスの場面については、説明がつかない不要シーンだったかなと思います。あの前衛ダンサーが未来に我が子を託す形でよかったのでは? ちなみに私はエンドロールが流れるまで、主人公役の女優さんをずっと鳴海凛子だと思っていました。三吉彩花さんという素敵な女優さんを知らなくて、ほんと申し訳なかったです。

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