レビュー一覧に戻る
劇場版 そして、生きる
2019年9月27日公開

劇場版 そして、生きる

1352019年9月27日公開

たーちゃん

4.0

ネタバレあなたが生きててくれて、良かった。これからもしっかり生きてこうね

人生は偶然の積み重ねです。どのタイミングで誰がどこで出会うかによって、全然違う人生になっていきます。 今回のストーリーの主人公 生田瞳子(有村架純)は両親が事故に巻き込まれて亡くなるところから普通の方の人生とは違うかもしれません。それが東日本大震災によって、受験するはずのオーディションに行かずに震災のボランティアに向かいます。そこで出会った大学生ボランティアの清水清隆(坂口健太郎)と出会います。 清隆も幼い頃に両親を亡くしていて、人の助けになる事で「自分も必要とされている。生きていてもいいんだ」と生きている事を感じたくて来た事を聞かされます。 しばらくたって清隆が瞳子を訪ねてきて普通の就職を止めて、発展途上国に行ってその国の人を助けたいという気持ちを聞かされます。 「最初に瞳子に聞いて欲しかった。好きになった人だから」「ありがとう。私も好き。大好き」 唐突の告白で初々しい、二人が良いです。 清隆の仕事に対する気持ちを聞くと応援したくなる瞳子です。 自分も東京でオーディションを受ける事にします。 将来の夢を見る二人がキラキラしていて、眩しいです。 「もう帰るの。いやだ一緒にいたい」「俺も」 そしてその夜二人は結ばれます。 清隆は希望の会社に就職が決まります。 瞳子はオーディションの日に会場で倒れてしまい、妊娠が発覚します。 しかし夢を実現しようとしている清隆には告げず、オーディションには落ちて仲間と食事に行くといって、清隆には会わずに一人で子どもを産む事を決意します。 親友のハン・ユリ(知英)に告白しようとしますが、ハンの方からタイに行って生活する事を聞かされ告白出来ない瞳子でした。 告白したくても言えない瞳子の微妙なはぐらかしを有村さんが上手く表現していました。 「瞳子。幸せは自分の手でつかむんだよ」 これからの瞳子の運命を暗示しているようで、いいセリフでした。 瞳子は義理の父和孝(光石研)に妊娠した事を告白し、自分一人で産む事を告白します。 このシーン義理とは言え、愛情たっぷりに育ててくれた父へ「ごめんなさい。ごめんなさい」と土下座をして謝るところ。とても切なかったです。 「私、命無くせない。出来ない。ごめんなさい。育ててくれたのに、こんな娘でごめんなさい」 本当は殴りたいだろうに、娘を許してしまう光石さんの芝居が良いです。 しかし、瞳子はその子を流産してしまうのです。 ある日、瞳子は和孝の経営している理髪店に太陽光発電の営業に来た久保真二(岡山天音)と出会います。久保は瞳子の学校時代の後輩で告白までしていたらしいのですが、全く瞳子の記憶にはありませんでした。 営業のために何回か通っていた久保ですが、和孝が倒れてしまい瞳子を助けてくれる久保でした。 希望通りにフィリピンに渡り、地元で働く清隆です。そこで知り合ったジャスティンという少年。その少年は両親がおらず、その少年に気持ちを注ぐ清隆でした。ですが悪い仲間に誘われ、爆弾テロを起こしてしまいます。 瞬間清隆に気づいたジャスティンは清隆に叫びます。 「偽善者」 その事故に巻き込まれてケガを負ってしまう清隆です。ジャスティンは警察に追われ射殺されてしまいます。 自分のやっている事に自信が持てなくなった清隆は日本に帰る空港で偶然ハンと再会します。そして一緒に暮らす事になります。 それをハンからの手紙で知らされる瞳子でした。 ハンから清隆の事が大好きだと知らされます。 瞳子は医者から和孝の余命が1年である事を知らされます。久保にその事を伝えると久保からプロポーズを受ける瞳子です。 久保は瞳子の力になりたいと言うのですが、瞳子は清隆の話などもして、結婚する事は出来ないと久保に伝えます。 「その人はその事知ってるんですか。瞳子さんに何があったか」「ううん。知らない。言ってないし、言うつもりもない」「何で」「好きだから。異論は認めま~す。でも気持ちを変えるつもりもない。これが私の「好き」だから」 この時の有村さん良いです。 でも久保は諦めません。 「嫌です。瞳子さんの言ってる事はわかりました。でも俺はあきらめません。俺は今の瞳子さんが好きです。だから今のプロポーズは生きてます。ずっと待ってます」 この時の岡山さんも良いです。 和孝が一時退院して、気仙沼のボランティアに行った先で理髪店をしている坂本(萩原聖人)の所まで髪を切りに行く事になります。 散髪をしている間、瞳子と久保は気仙沼の町が見える高台に来て瞳子は久保にプロポーズの返事をしようとします。 そこに現れる清隆とハンでした。 久しぶりに再会する清隆と瞳子。 プロポーズの返事をする瞳子。 「よろしくお願いしますって言うつもりだった」 ここでのみなさんの芝居が良いです。 本当の事を知りながら、本心を隠しながらのやりとり。 久保は清隆を瞳子の言っていた相手だと感じ、瞳子は親友のハンと一緒にいる清隆への嫉妬心。清隆はふられたと思っていた瞳子との再会。複雑な心理のやりとりが、表情に上手く出ていたと思います。 別れた後に車の中での瞳子と久保の会話。 「みんなの前であえてそうする事で吹っ切れるって事ないですか」 「ゴメン。あるかもしれない。幸せだと知らせたかった。幸せなんだし、私」 この時の久保は三枚目で、悲しくなりました。 瞳子の本心は久保にないのが、見えてしまいます。 これどこまでが本心なのでしょう。 瞳子と久保は結婚して、妊娠します。 久保は仕事をしているものの、きちんとした仕事ではないようでした。 清隆とハンは雑貨と喫茶店を一緒にしたような店を経営していました。 そこに久保が現れ、瞳子が悩んでいる事それは過去にこだわって苦しんでいる事を清隆に告白します。瞳子が流産している事。その相手はその事実を知らないで、海外に行ってしまった事。 「瞳子ね。もうすぐ子ども生まれるんですよ。でもね、怖くて一人で震えてるんですよ。なんでだと思います。瞳子ね、一度流産してるんですよ。でもね、その相手知らないんですよ。子どもいた事も、流産した事も、知らないんですよ、そいつは。何でも大事なオーディションがあった日に具合悪くて、わかったらしいんですよ妊娠。その相手は何か、大切な仕事で海外に行くことが決まってたらしくて、あのバカ言わなかったらしいんですよ。迷惑かけたくないとかって。いまだにその男は知らなくてさ。呑気に生きてやがるんですよ。腹立つと思いませんか。泣いてんですよ、怖い、怖いって。一人で。どうしたらいいんですか、俺は。絶対負けないから、お前には」 この時の唖然とした坂口さんの表情、上手いです。 陣痛がはじまり、病院に向かう瞳子。同じ時に危篤になる和孝。 出産と臨終がカットバックされます。 そこに過去、初めて来た瞳子と和孝がインサートされます。 幼い瞳子に 「俺が絶対に、絶対に守って見せるから」 幼い瞳子の笑顔が抜群に可愛いです。 出産を終えた瞳子でしたが、赤ちゃんは泣きません。 その時和孝は臨終を迎え、それと同時にやっと産声を上げます。 これはきっと父が助けてくれたんだと思う瞳子でした。 数年後瞳子は娘のカズと東北の農村にいました。そこに雑誌の取材で訪れる清隆と再会します。 清隆はハンと別れて取材記者になっていました。ハンはひとつのところにいるのではなく、世界中を旅していたいと旅立っていきました。 清隆は瞳子から久保が逮捕された事などを聞かされます。働いていた会社が詐欺で摘発されて、そのメンバーとしてでした。 離婚の申し入れがあったらしいのでしたが、離婚しない瞳子でした。 離婚の話があった時におそらく清隆は離婚した言葉を聞きたかったのでないでしょうか。 でも瞳子が離婚していない事を聞いた時に、ちょっとがっかりしたように見えたのは私だけでしょうか。あからさまではないにしろ、もしかしたらもう一度恋が芽生えると思ってしまいました。でも女性の方が現実的なんですね。そんな幻想をバッサリと切ってしまった女性の強さを感じました。 「いろんなことがあって、だからあんな天使みたいな子と出会えたんだよ。だから一切後悔していない」 清隆と瞳子は別れる時に、 「親は揃っていなくても、一緒に生きている人で幸せになれる」 「大好きだよ」とお互いに告白する瞳子と清隆でした。 「あなたが生きててくれて、良かった。これからもしっかり生きてこうね」 最後の握手は寂しい握手でした。 最後に瞳子を呼ぶ「お母ちゃん」という言葉が切なかったです。 運命とは残酷なもので、時間は戻す事は出来ません。 それぞれの瞬間を精一杯生きていくしかないのです。 出会った時の立場や境遇などはどんどん変化し、二度とは戻りません。だからこそ後悔しない為にも、精一杯生きるしかないのです。 そんな事を思わせてくれる作品でした。 ドラマの再編集なんですね。何だか総集編のように見えたのはそのせいでしょうか。ただこの位のテンポの方が見やすいなと思いました。

閲覧数709