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リンドグレーン
2019年12月7日公開

リンドグレーン

UNGA ASTRID/BECOMING ASTRID/YOUNG ASTRID

PG121232019年12月7日公開

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3.0

ネタバレ男で苦労した女性の若き日の物語

スウェーデンの田舎町で、伸び伸びと育ったアストリッド。 今作は、16歳から始まり10年弱、リンドグレーンになるまでの若かりし時代を描いている。彼女の人生で最も辛い、激動の日々だった。 教会の土地で農業を営む、信仰に厚い家庭で育ちながら、率直で自由奔放な彼女。 次第に、教会の教えや倫理観、保守的な田舎のしきたりや、男女の扱いの違いに息苦しさを覚え始める。 そんな折、文才を見込まれ地方新聞社で働き始めた彼女は、才能を開花させる。 時代的にも、女性が髪を短くし、活動的に仕事をするというのは、画期的だっただろう。 特に、田舎の閉鎖的で保守的な町ならなおさらで、彼女は時代の最先端。 元気いっぱいで瑞々しく、男性に交じって取材するアストリッドが頼もしい。 とてもクレバーで優秀であることが分かるのだが、この職場がよくなかったな。 上司の男・・・ブロムベルイだっけ。妻子持ちだけど別居して離婚でもめている最中。 あんな風に狭い部屋で、毎日ずっと男女が二人っきりで一緒に居たら、ダメだよね。 上司からしたら、孤独で辛いところに、18歳のウブでピュアな女が、癒してくれたらついつい。。。 アストリッドにしても、世間知らずで男も知らないし、ずっと年上の大人の男性なわけで。あんなおっさんのどこが・・・と私は思うけど。(笑) 彼女が意外と大胆なところにビックリしたけど、すぐに不倫関係となる。 まだ若く見えるので、潔い脱ぎっぷりにドギマギしてしまった。 そして、アストリッドが妊娠した事で、人生は予期せぬ方向に進んでいく。 互いに愛はあるものの、男は離婚が成立しておらず、裁判中なので姦通罪を問われると心配になり・・・。 アストリッドの存在は伏せて、堂々と会う事も出来なくなる。 いつも思うのだけど、なんで避妊しないんだろう?本当に男ってバカ。 いつの時代も、犠牲になるのは女の方。こんなダメ男に引っかかった方も悪いけど。 教会の土地で厳格な家庭ゆえ、アストリッドは一人旅立ち、秘かに隣国で産むことに。 里親のマリーに息子を預け、一人で家に戻り、離れ離れになります。 産まれたばかりの我が子を置いていかなければならない寂しさ、辛さは見ていて切ない。 胸が張るので、締め付ける場面も、本当に痛々しかった。 いつか必ず迎えに来ると誓い、泣く泣くマリーに預けて別れるのだけど。 頼りのブロムベルイは、裁判が長引いていると、全く結婚へと進む気配がない。 結局、一人の女も幸せに出来ない男が、さらに別の女を幸せに出来るはずがない。 のらりくらりと適当に言い逃れして、甲斐性は無いしめっちゃイライラする。 ま、本人は一生懸命、出来る限りのことをしようとしてるつもりだろうけど。 この手の女を不幸にするクズ男って、見てて腹が立ってくるんだよな。 つまんない男に引っかかったばかりに、翻弄され振り回される女が不憫。 こんな風に、男次第で女の人生決まるんだよな、と思うと虚しくなる。 さらに、理解の無い両親もアストリッドを苦しめる。いくら、彼女の為とはいえ・・・。お母さん・・・同じ女として、しかも親なんだから、気持ちは分かるだろうに。 田舎の町の風土に毒され過ぎ、人間としてもどうなの?と母の言葉に呆れた。 アストリッドは、たまに会いに行くものの、2,3歳になるまで離れて暮らす羽目に。 なんとか迎い入れる体制を整えて、いざ息子を迎えに行くのだけど。 生まれてから一番可愛い時期に一緒に居れないなんて、そりゃ懐くはずもない。 一番子育てで大変な時期の苦労も知らないままだと、自信を無くして無理!ってなる気持ちも分かる。 でも、そうも言っていられない事態が巻き起こる。 アストリッドは、自身が自立するための新たな仕事に、また新生活に奮闘する。 母は強くたくましく、何度挫けても立ち上がらなくてはならない! 息子への愛と、必死で生きるためにあらゆることに立ち向かっていく姿は感動的。 人生、無理でもやらなきゃいけない時がある!という言葉は納得。 クズ男のせいで苦労の連続、アストリッドは息子を抱え、ある決意を固める。 アストリッドという一人の女性の、激動の若き日の苦労話の数々を描いた伝記モノ。 大変だったんだなぁ、とよく分かったが、この体験がなぜ児童文学作家に結びつくのか分からなかった。 優秀な才能はあれど、小説を書くくだりは全く無いので。 ただ、彼女の作品を読んでから鑑賞すると、なぜいつまでも子供の心を忘れないのかが理解出来るのかも。 伝説の作家となるような節は見えず、波乱万丈な半生を送った女性の物語として単純に楽しめた。 アストリッドを演じた、アルバ・アウグストの熱演は、素晴らしかったです。

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