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嘘八百 京町ロワイヤル (2020)

監督
武正晴
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  • みたログ 366

3.46 / 評価:302件

映像不要なほど喋り倒す古美術系コンゲーム

  • dr.hawk さん
  • 2020年2月14日 20時00分
  • 閲覧数 676
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

2020.2.12 イオンシネマ京都桂川


2020年の日本映画
2018年公開『嘘八百』の続編映画
目利きの古美術商と売れない陶芸家が悪事を働く古美術商たちを懲らしめる古美術系コンゲームドラマ
監督は武正晴
脚本は足立紳&今井雅子


物語は古美術商の小池則夫(中井貴一)の店「獺(かわうそ)」にお宝鑑定系の番組が生放送で訪れるところから紡がれる

リポーターを勤めるのは今巷で人気の陶芸王子こと牧野慶太(山田裕貴)

そして行く先々で登場するお宝を鑑定するのは鑑定家の億野万蔵(竜雷太)だった

だが小池が出した茶器を億野はまがい物と言い、店に置かれていた「利休の茶碗のうつし(前作にて登場)」を安物とこき下ろした


そのうつしを作ったのは小池の友人である陶芸家の野田佐輔(佐々木蔵之介)だったが、その番組の影響で開いていた個展が急遽打ち切りになってしまう

そんな野田の元に「桁ひとつちゃいまっせ」と謎の男が声を掛けてくる

そして「野田の作品を全部買う代わりにうつしをしろ」と言い札束を見せびらかすのであった

だが野田の妻・康子(友近)はその男を追い払い、煮え切らない野田に愛想を尽かして出て行ってしまう


そんな折、番組を観たという京美人が「獺」にやってきた

橘志野(広末涼子)と名乗る女性は「父の肩身である古田織部のはたかけ」を探していた

聞けば「認知症の母が騙されて何者かに盗まれた」というのである

美人に弱い小池が下心を隠しながらも無償で快諾、そして野田に作らせることにしたの

だが、実は20年前に既に「はたかけのうつし」を作っていて、それが志野の父が持っていたものだった

そしてその残りが手元にあったのである


その後、志野に渡したはたかけはオークションに流れ、それを不審に思った小池と野田が彼女を見つけ出す

そして志野から「本題」として出されたのが「嵐山堂」の悪事(文化庁と結託して贋作を売りさばこうとしている)だったのである

かくして「お宝鑑定番組に嵐山堂が所有するはたかけを登場させ、そこで贋物を混ぜて復讐しよう」と考えるのであった


前作はAmazon prime videoにて鑑賞

構造はほぼ同じで「バカにされたふたりが本物を越える偽物を作って鼻を明かす」という展開である

前作では利休になりきり、今回は織部になりきって茶器をつくる野田

そして全体の筋書きを考える策士が小池の役割である


今回は番組開始直前で「はたかけをすり替えて、しかも複数のはたかけをお茶の間に映す」という仕掛けである

幻の茶器の価値を貶めながら、しっかりと本物は取り返すという算段である

その思惑は大芝居に発展し、嵐山堂の先代の幽霊なども登場するユニークな仕掛けとなっている

そしてそれらすべてが終わってから小池が騙されるという展開が前作の流れだったが、今回は小池が一枚上だったというシナリオになっている


映画としての評価は決して高くないが2時間の暇つぶしとしては問題ないレベルである

言い換えれば「映画館でわざわざ観るものではない」とも言える

それは「幻の茶器(架空)」を作って種明かしする騙し合いではあるものの「規模が実に狭い」のである

まあ広げようがない話ではあるが、単純なストーリー対してに配役が多すぎてそれぞれの掘り下げはほぼゼロとなりストーリーの進行役が多過ぎる

ものすごく狭い世界のドタバタで十数人もの濃いキャラがところ狭しと出まくるので画面が煩い

だがやってることは実にチープだったりする

喩えるなら「一本の吉本新喜劇にぜんぶのキャラが出てくるぐらいの密度」なのに「結局は池野めだかが『これくらいにしといたるわ』で締める」ぐらいのニュアンスである

コンゲームとしての騙し合いは面白く見られるものの、「ぜんぶが嘘でした」みたいな種明かしで、「それ知ってました」とばかりに女性キャラがお宝を持って逃げる

まさに「ルパン三世」のノリと言えるだろう


いずれにせよ、ほぼ「室内劇」で終わるので「こじんまりとしたコンゲーム」になるのは仕方ないのだが、京都が舞台なのにその立地を活かさないとか、決めセリフを長々と喋るという展開は「骨董に詳しいと面白い」かも知れないが一般層からすれば意味不明なところも多い

今回は「はしかけ」という織部の心を先代の心と掛け合わせてはいるものの、「だから何?」感がハンパではない

一応嵐山堂をやっつけたように見えるのだが、肝心の「一撃」があまりうまく伝わっていない

せめて「小池が延々と喋る」のではなく、二代目(加藤雅也)がそれに気付いて頭を垂れて先代に贖罪を求めるぐらいの「過剰さ」があっても良いくらいである

また「利休や織部の語りを再現映像で見せる」ぐらいのお金は掛けてほしい

結局、学芸員(塚地武雅)のネタを小池がぜんぶパクって喋って終わりなので「映像である意味がない」のである

詳細評価

物語
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