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キングスマン:ファースト・エージェント
2021年12月24日公開

キングスマン:ファースト・エージェント

THE KING'S MAN

PG121312021年12月24日公開

Kainage_Mondo

5.0

予想外の展開に掴まれる。

過去の 2作品 も上出来だったが、スパイ物にしては独特の 癖 があり、好き嫌いの分かれるシーンも数多だった。その覚悟で臨んだ本作だったが、何と! ボーア戦争当時の南アフリカのシーン、開巻 5分 で心が掴まれ、涙することになろうとは思わなかった。じつに憎い導入だったし、過去作とは異なる狙いであることの 高らかな宣言でもあった。 南アフリカのエピソードから 10年余 の 1914年6月 の サラエボ事件 を物語の本筋に取り込む抜け目のなさ。時代色が大いに魅力を発揮した。さらに、それに続く 第一次世界大戦 の描写が、戦争映画としてスケール感を出すとともに、塹壕戦の残酷と理不尽な死の連鎖を描くことで、娯楽作とは言えない程の鮮明さで反戦メッセージを発することに成功した。巻頭のシーンに呼応するかのような オックスフォード公 ( レイフ・ファインズ 以下敬称略 ) の述懐が心に沁みた。 一転、立ち直った オーランド ( ファインズ ) が逆襲に転ずるクライマックスは、スパイ物 本来の盛り上がりを取り戻し、そんな都合よく行きますかね~ という 突っ込み も呑み込んでしまう程のアクションの切れで魅せてくれた。大満足の キングスマン誕生物語であり、歴史を遡っただけの甲斐はあった、と思ったね。 怪僧 ラスプーチン ( リス・エヴァンス ) の踊るがごとき大立ち回りにも見入ったし、副官 モートン ( マシュー・グード ) の抑えた怪しい演技も楽しめたし、エンドクレジットの名前の右肩に “3” が付いていた トム・ホランダー も傑作だったのだが、やはり! 本作の功労者は主演の レイフ・ファインズ だろう。見事な存在感で本作を背負って立っていた。 【 余談 】 昨年12月24日に公開された本作。故あって 今日まで観られなかったのだが、鑑賞して吃驚! これは~ それこそ遡って昨年のベストテンに捩じ込むしかない! と決心した。ベストテンの変更など初めてのことだ。

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