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キングスマン:ファースト・エージェント
2021年12月24日公開

キングスマン:ファースト・エージェント

THE KING'S MAN

PG121312021年12月24日公開

hick

5.0

シリアスさ、厚み、感動、全てが最高

【前作とは別もの】 めちゃくちゃ良かった!王道スパイテイストに皮肉的なヴァイオレンスコメディ要素が光った1作目、2作目とは全く異なり、シリアスなトーンで進んでいく今作。前半は史実の中でスパイの魅力が溢れる展開。後半は戦争の過酷さ、そして、だからこそ立ち上がるキングスマンたちが感動的だった。シリーズで1番スパイ要素も高く、史実を交えた重厚な超大作だった。 【史実を交えた展開】 権力者たちに支える使用人をコネに、スパイ活動をしているのがワクワクする設定。史実や数々の実在した人物が織りなす駆け引きも興味をそそられる。(自分は第一次世界大戦の構図もあやふやで、影で暗躍していた人物たちの知識が無く、鑑賞後調べまくった)。やっぱり史実と結びつけただけで妄想に厚みが増し、面白い。そういえば「X-MEN:ファーストクラス」でもキューバ危機と結びつけ、双方の政府をコントロールする組織と対決する大富豪を描いていた(笑)。今作と似てる。監督の好みは分かりやすい。やりたい事が出来ている証かな? 【ラスプーチン】 この人に釘付けになる。気持ち悪さ不気味さがカッコよすぎる!「踊ろうじゃないか?」の後のアクションシーン、クラシックとロシア伝統音楽に乗せ本当に踊りながらの戦闘。カッコよすぎる。彼のジャンプ大好き。クルクル激しく回るの好き。演じたリス・エヴァンス凄い。もっと見たかった。 【ポリー】 時に母のように、時に妻のように支える彼女がたくましく魅力的だった。1作目で「キングスマンとは何かを教えてくれた母へ」と最後にメッセージが挿入されていたが、ポリーは監督のお母さんを投影させたのかなとか思ってみる。カッコよかった。 【演出】 シーンの移り変わりの時に、物から物に移る転換がいくつもあったのが印象的だった。スタイリッシュ。戦闘シーンのカメラワークも前2作を踏襲したカッコよさ。物視点でのショットも今作はサーベル目線の演出になっていた。また、のちのガジェットとなる武器の使い方もクスッとなるファンサービスだった。 そして、ヘンリー・ジャックマン。シリーズで一番好きな音楽だった。特に羊飼いの組織のテーマ楽曲がカッコいい。コンラッド対ドイツ軍の静かな戦いの中の音楽もユニークで印象に残った。 【ちょっとこんがらがる】 実在の人物を中心にファーストネームやファミリネーム、ニックネームが入り乱れてるので、歴史背景が分からないと少し整理する時間が必要かもしれない。また、それぞれの皇帝をトム・ホランダー1人が演じているので、同一人物に見えてしまってこんがらがった。気になって調べてみると実際の皇帝たちも似てるのが笑えた。 【総括】 皮肉なコメディーやぶっ飛んだ過激さなど、前2作で目を惹く要素がバッサリと削られているので、万人の期待通りの作品では無いかもしれない。ただ、自分はこのシリアスなストーリー展開と史実を交えた厚み、感動要素に心を掴まれた。シリーズで一番スパイ要素が濃くもある今作。もしかしたら3作中一番好きかもしれない。

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