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不実な女と官能詩人
2019年11月1日公開

不実な女と官能詩人

CURIOSA

R18+1052019年11月1日公開

Dr.Hawk

4.0

ネタバレ原題を超意訳すると官能小説でいいのかも

2019.11.3 字幕 シネリーブル梅田 2019年のフランス映画 実在の詩人ピエール・ルイスと彼の不倫相手マリー・ド・エレディアとの逢瀬を綴ったヒューマンドラマ(R18+) 監督はルー・ジェネ 脚本はラファエル・デレプシャン&ルー・ジェネ 物語はのちに不倫関係となるピエール・ルース(ニールス・シュネデール)とマリー・デ・エレディア(ノエミ・メルラン)が描かれて始まる ピエールはフランスでも新鋭の象徴主義の詩人で、マリーは同じく象徴主義の詩人ジョゼ・マリア・ド・エレディア(スカリ・デルペラト)の次女だった マリーには姉のエレーヌ(メロディエ・リチャード)と妹ルイーズ(マチルド・ワニエル)がいて、母(アミラ・カザール)は厳格な性格 ピエールには親友のアンリ・ド・レニエ(バジャマン・ラベルネ)がいて、彼もマリーのことを愛し、ふたりの間には暗黙のルールがあるように思えた だがアンリはピエールに先立ってマリーに求婚する エレディア家は金銭的な問題もあって貴族であるアンリの申し出を受諾した 物語は結婚によって関係が断たれたと思われたふたりが「新聞のメッセージ欄を利用して」密会し、欲望の赴くままに性欲に溺れる様子が描かれていく そしてピエールの趣味である性交相手の裸体を写真に撮る中で、ふたりの関係はさらにエスカレートしていくのである ピエール・ルイスは1890年代に活躍した詩人で、代表作には『ビリティスの歌(1977年、監督:デイヴィッド・ハミルトン』『女と人形(1920年から計6度の映画化)』などがある 象徴主義とは文学運動のひとつでオスカー・ワイルド(『サロメ』)、シャルル・ボードレール(『惡の華』)などで知られる 作風をざっくり言うと「心や生死、運命など目では見えないものを表現する」「形がないので神話や文学を借りて象徴的に描く」という感じである マリーはのちにジェラール・ドゥヴィルの筆名で小説家となっており、原題の『Curiosa』は彼女が出版した「不実な女」のことを指すだろう 「Curiosa」は直訳すると「奇妙か異常な主題についての本」というスペイン語で、要は「エロ本」のことである 時代背景を考えると「官能小説」と言え、そこに登場する人物が実在の人物で私的な欲情にまみれた暴露本とも言える マリーはピエールとアンリの関係の中で異常な性欲に溺れながら、多種多様な「プレイ」で情愛に溺れていく もっとも冒頭の男ふたりの会話で「二つ穴制覇したか」などと言う下世話な話題からスタートするのでピュアな方にはハードルが高い映画ではないだろうか 冒頭のシーンではからくり鏡越しにマリーたちの様子を覗き見るアンリから始まり、最終的には「友人に寝取られている妻」の喘ぎ声を隣室の壁越しに聞いて絶頂するという特殊な性壁を披露する アンリですらこの有り様なので、まあ普通の人は出てこない マリーの母もピエールと不倫しているのを知った上で、その彼にルイーズを結婚させるという離れ業をやってのけ、それで関係性が収まるかと思えばさらに火がつく(お会いできる口実ができました)というテイスト 情事を執筆して一般公開し、実名を晒しても「もっと売れるかも」と言ってしまうマリーなので、もう彼女と恋に落ちたら最後としか言いようがないのである いずれにせよ、R18+だからエロ満載なんだろうなぐらいで鑑賞し、劇中の人物の名前で「これ、史実系?」と驚いた次第である いくら200年以上前の人物で、ピエールの2500斬りという逸話と証拠(写真がたくさん見つかった)を基に膨らませたとは言え、かなりアブノーマルな方向に話がすっ飛んでいったので驚いた 何となく「ハーレークイン」だなあと思っていたので、女性監督と聞いて納得 それでも女性陣の肢体の美しさは眼福 『英雄は嘘がお好き』でぶっ飛んだキャラを演じたノエミー・メルランはさらにぶっ飛んだキャラを演じていたのが印象的だった 物語も「女性の怖さと強かさ」が全編にわたって醸し出されているので、男性から見ればある意味ホラーかも知れません 溺れても助けることはできないので、鑑賞は自己責任でお願いいたします

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