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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密 (2019)

KNIVES OUT

監督
ライアン・ジョンソン
  • みたいムービー 570
  • みたログ 1,570

3.97 / 評価:1,277件

観客に仕掛けられた巧妙なトリック

  • kap***** さん
  • 2020年2月16日 14時58分
  • 閲覧数 1316
  • 役立ち度 51
    • 総合評価
    • ★★★★★

「オリエント急行殺人事件」「ナイル殺人事件」のように
閉ざされた空間での殺人事件、そこに居合わせた全員が動機を持っている、
そこに名探偵登場、と言うアガサ・クリスティー風の古典的本格推理ドラマ。

当然観客は「誰が犯人なのか?」が謎解きのポイントだと思って見ています。

ところが映画は突然倒叙ミステリー(刑事コロンボのような形式)の
様相を呈してます。
が(若干ネタバレ)これも観客へのトリックで、さらにここから二転三転。

「ウソを言うと吐いてしまう体質」と言う
マルタの設定がユニークでバカバカしくて面白い。
結果、「真実しか言うことができない」と言うマルタですが
ここで観客への引っ掛けなのは、「真実」と言うのはあくまで
「彼女が真実だと思っていること」だと言うことです。

「警察が検死結果に一言も触れないのはおかしいんじゃないか」とか
「”犯人”(?)に振り回されている探偵はあまりにボンクラじゃないか」
と、観客が感じるツッコミどころは、全部観客に仕掛けられたトリックで
劇中のなにげない台詞も含めて、
これらの伏線がきれいに回収されるラストは見事です。

「アガサ・クリスティーを思わせる古典的本格ミステリー」
という見た目自体が観客へのトリックにになっていると思います。

007のダニエル・クレイグ、キャプテン・アメリカのクリス・エバンス、
ジェイミー・リー・カーティス、ドン・ジョンソン、などの豪華スター俳優陣、
そこに、まだあまり色のついていない
新鮮なアナ・デ・アルマスを持ってくる、という配役も、
俳優のパブリックイメージを逆手に取った観客へのトリックでしょう。

古風な本格ミステリーを思わせますが、時代はスマホを駆使する現代。
南米移民であるマルタの扱いが特に現代風です。
マルタを「家族のように扱っている」と口々に言うスロンビー家の人たちが
実はみんな彼女の出身地を正確に覚えていないという描写が笑わせます。
そこに彼らの彼女に対する腹の底が見えてくる仕掛けです。

警察の尋問のシーンで回想シーンが映し出されるのですが、
答える人間の視点が変わるだけで同じ回想シーンが
「羅生門」のように全く別の意味を持ってくるのも面白い。

ポイントポイントで画面に登場するハーラン・スロンビーの肖像画が
その時その時の登場人物の心理状態で印象がガラリと変わります。
ラストシーンで映し出された時には
全てを見透かしていて、全て彼の手の平で踊らされていたのではないか、
と痛快に思うと同時にゾっとさせられます。

詳細評価

物語
配役
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映像
音楽

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