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上映中

真実 特別編集版 (2019)

LA VERITE/THE TRUTH

監督
是枝裕和
  • みたいムービー 32
  • みたログ 47

3.76 / 評価:33件

「嘘」と「演技」

  • koukotsunohito さん
  • 2019年11月20日 12時01分
  • 閲覧数 732
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

通常公開版だけでも充分よくて、これはその別バージョンであっていわゆる「ディレクターズ・カット」とは違う。あくまでも通常公開版が決定版で、それを観た上でこの「特別編集版」を観るとさらに楽しめるという按配。

具体的にはリュミールの夫のハンクと娘のシャルロットの新たな登場場面が加えられていて、またファビエンヌの現在のパートナーのジャックと元夫のピエールもほんのちょっと出番が増えている。通常版ではまったく登場しなかった人物の姿も。

そのことで通常版では何気なく流して観ていた場面にも意味があったことがわかったり、通常版では極力ファビエンヌとリュミール(そして少しシャルロット)の母娘の物語に絞っていたのが、こちらではそこに男性陣が加わる。

そしてファビエンヌが住む家の外側の風景もいくつか見られる。あんなところに建ってたんだ、とか。

リュミールのおまけのようにニューヨークからついてきて、フランス語がほとんどわからないのでフランス語での会話の時には終始困ったような笑顔だったハンクがファビエンヌに自分の演技を「物真似」と言われて何を考えていたのか。また、妻のことを思って彼がちょっとした気遣いをしていたことや、「嘘」が下手な人であることなども、クレープを食べながらの娘との会話からわかる。

あれはファビエンヌが撮影を抜け出して食べにいこうとしていたクレープ屋さんでしょう。

“魔女”である祖母がお祖父ちゃんを魔法で亀に変身させたことは信じるのに、父がついた「パパがクレープを発明した」という嘘は軽く受け流すシャルロットに笑う。

そしてジャックは料理の先生となんだかイイ雰囲気で、一緒に買い物に来ていてそれを目撃したハンクが彼に見せる表情が可笑しい。なぜファビエンヌはジャックが作る「ティラミスのほうがいい」と言っていたのか、通常版のあとに特別編集版を観るとその意味がわかる。

だから、まずは通常公開版なんですよね。

いきなりこの特別編集版から観ると、ファビエンヌとリュミールの物語の焦点がボヤケてしまうから。是枝監督がどうして119分のこの特別編集版ではなくて108分版のほうを通常公開版に選んだのか2本を観比べてよく理解できた。

母と娘の話だった通常公開版と、「家族全員」の物語となった特別編集版。

これらは「嘘」と「演技」についての物語でもあった。

公開順に観ることで、映画『真実』の世界がより広がります。

詳細評価

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