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上映中

劇場版 奥様は、取り扱い注意 (2020)

監督
佐藤東弥
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3.57 / 評価:777件

面白かったが、以前の魅力が失われた部分も

  • apk***** さん
  • 2021年4月9日 0時07分
  • 閲覧数 740
  • 役立ち度 10
    • 総合評価
    • ★★★★★

〇良かった部分
菜美の記憶喪失の行方や伊佐山の行動など、かなり説明が省かれている部分が多く、ドラマ版を観ていた身からすればかなりテンポ良く進んで非常に見やすかった。
いちいち台詞で説明せずに、映像でスムーズに見せる演出も非常に好印象。
前田敦子演じる女医が伊佐山側(公安)の人間であると登場時から何となく勘づかせるあたりの演出もかなり上手かった。

アクションはさすが。ドラマ版の大きな魅力がアクションだっただけに、そこのツボを上手く抑えた爽快なアクションシーンが満載で、佐藤監督にバトンタッチして良かったと強く感じた。
また、ドラマ版では最終回に至るまで終始「菜美=無敵」状態で、一度も主人公が(アクション面で)窮地に陥らないというある種異常なドラマだったが、映画版でも、ラスボスとの対決に至るまで(ちょっと劣勢になることはあっても)結局は菜美が割とあっさり勝つという「菜美=無敵」が貫かれていて、そこは非常にこの作品らしくて良かった。

あと、檀れいさんのチャーミングさがかなり出ていて良い。特に鈴木浩介さんとのシーンはめちゃくちゃチャーミング。

〇残念だった部分
ドラマ版の大きな魅力だった、「人並はずれた能力を持つとんでもないスケールの女が、一つの小さな街で、主婦それぞれが抱える様々な事情を解決していく」という、主人公のスケール感とローカルで個人的な世界観とのギャップみたいなものはすっかり無くなっていた。このギャップこそがこの作品の最大の肝であり、他作品と大きく差別化が出来ている部分だったと思うのだが…
下手に公安やロシアを絡めて、明らかにドラマ版よりスケールは大きめになっているのだが、かといって結局は一つの市の開発の話に過ぎないので、そこまでスケールが大きいともいえず、非常に中途半端。世の中に掃いて捨てるほどあるアクション系邦画と大して変わらない世界観になってしまっていたと感じた。そこは非常に残念。

ドラマ版は各回「奥様」という存在をしっかり掘り下げ、広末涼子さんや本田翼さん、各回のゲストなど様々な「奥様」が登場することで、菜美のアイデンティティにも関わる大きなテーマになっていたのだが、今回は「奥様」と言えるのが主人公と檀れいさん演じる市長の二人しか登場しない為、そこの掘り下げもかなり弱くなってしまっている。
市長と鈴木浩介さんの関係性は、菜美と伊佐山と上手く絡めることも出来ていて、魅力を感じさせるものではあったが…どうせなら菜美と市長を対面させた方が、「菜美と他の『奥様』が互いに影響を及ぼし合う」というドラマ版の世界観には近くなった様には思う。

また、ドラマ版での菜美の性格や、「奥様でいるということが願い。しかし、一方で、心の奥底では命がけのスリルを求めている」というテーマを知っていないと、シーンの意味が読み取れなかったり、ともすれば記憶を取り戻した後の菜美の行動がわからないのではないかと少し心配になった。
ドラマ版でその辺りを知っていないと面白みが半減する様なシーンも結構あったし。
良くも悪くもドラマ版の続きとしてのファンサービス的な映画で、若干一見さんお断り的というか、映画版だけ観るとつまらないと感じてしまうのでは…?と思わされる部分もあった印象。

ただ、映画版の大きなテーマは「菜美と伊佐山の夫婦の愛」だっただろうし、ドラマ版の魅力・テーマ性がある程度損なわれてしまったのは仕方ないと思う。
総合的には、ドラマ版のモヤモヤするラストを上手くまとめて一つの娯楽映画として完成させてくれたということで、十分五つ星はあげて良いかなと思えるくらい満足だった。
特にアクションシーン中の菜美と伊佐山の「夫婦喧嘩」は100点満点の可愛らしさ。

詳細評価

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