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ドミノ 復讐の咆哮
2020年2月14日公開

ドミノ 復讐の咆哮

DOMINO

PG12892020年2月14日公開

ta7********

4.0

腐っても鯛、デ・パルマ節が随所に

好きな監督の筆頭に挙げられるブライアン・デ・パルマ、何が好きってアラベスクのような多彩なカメラ、映像による映像のための映像だけの映画作品、と言えば大袈裟かもしれませんが映画の確かな一面を大切にしている辺りが気に入っているわけで。御年80歳超え、さすがに往時の勢いはないけれど前作「パツション」でも濃厚な「牧神の午後」に酔い知らさせられました。  さすがにハリウッドに場所もないようで、中国資本の入ったヨーロッパ映画、なのに英語作品。刑事のバディものかと思ったら、イケメンの方のポカミスにより定年間近の相棒が命を落とし、その落とし前ドラマと思ったら、イスラム過激派やらCIAがグチャグチャと絡み、おまけに亡くなった相棒が不倫してたなんて、もう分けが判りません。そもそも主人公が中盤ずっと何にもしない、何の活躍もしないなんて、呆れるしかありません。ですから、到底評価は低いのも当然です。  が、しかし腐っても鯛、随所にデ・パルマ節が炸裂で見入ってしまうのがミソ。男がスマホで動画を見ているシーン、男の斜め背後からのショットでスマホの画面とともに、巧妙に鏡を配し男の表情の一部も同一画面に収める。山場はラストのアルメリアでの闘牛場でのテロシーン。自爆犯とその指揮者、刑事と女刑事、それぞれの動きに闘牛観客の動作がサスペンスを煽り、ドローンを駆使したカット割りが冴えわたる。そこへ盟友ピノ・ドナッジオによる粘るような弦楽器のうねりが押し寄せ、デ・パルマらしさが全開となる。もっとも当然ながら未然に抑えた自爆テロだが、ドローンが自爆犯の首を掻っ切るなんてイージー極まりない残念がそこかしこに。  唯一有名スターとしてのガイ・ピアースなんぞスーツでパリッと決めるだけで、全く映画を回す役割を担っておらず、可哀想としか思えない。そもそもアーロン・エッカート似の主役の見せ場が殆どないのが致命傷。スペインまで唐突に犯人追っかけたり、銃を空港セキュリティで取り上げられたり、脚本が出鱈目なんですから無理無理なんですね。

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