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騙し絵の牙 (2020)

監督
吉田大八
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3.62 / 評価:1554件

本というメディアの危機への2つの対処法

  • 文字読み さん
  • 2021年3月28日 1時08分
  • 役立ち度 24
    • 総合評価
    • ★★★★★

2020年。吉田大八監督。大手出版社の伝統ある文芸誌で働く若き女性編集者は文学界の大物や編集長らが作り出す「制度」になじめない。そこへ、同じ会社のエンタメ系雑誌の編集長から声を掛けられて異動を果たす。女性編集者は文学の間口を広げようと苦闘するが、会社の権力構造に巻き込まれていき、、、という話。

出版業界の危機に直面したときの二つの対処法。一つは、放っておくとどんどん読まれなくなる本を、漫画や映画やファンションや芸能人とつなげ、垣根を取り払い、融合していく方法。いわゆるメディアミックス。編集長はこれをやろうとしている。基本的にはグローバリズム資本主義に適合した、より速く、より多く、の路線。もう一つは、物語の最後に出てくる小さな拠点を作る方法。融合して境界をなくしていくのではなく、明確な境界を構築して小さな内部を充実させる。より遅く、より少なく、の路線。町の本屋の生存戦略。映画のなかでは、前者の攻防がメインで、後者はラストに触れられるのみだが、いずれも日本の出版業界を覆う「制度」への批判から始まっている。最初から明確な対比構造で描かれてもよかった。

しかし、一方は創業者一族の若きホープの英断であり、他方は実家の本屋を継ぐということである。グルーバル資本主義に抵抗する力は、ブルジョワ的階級の力か、家族の絆の力、ということになるのだろうか。

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