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ジュディ 虹の彼方に (2019)

JUDY

監督
ルパート・グールド
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3.85 / 評価:789件

解説

『オズの魔法使』『スタア誕生』で知られる女優・歌手のジュディ・ガーランドを、『シカゴ』などのレネー・ゼルウィガーが演じた伝記ドラマ。47歳の若さで亡くなる半年前に行ったロンドン公演に臨むジュディを映し出す。自ら全曲歌い上げたレネーをはじめ、フィン・ウィットロック、ジェシー・バックリーらが共演。監督を『トゥルー・ストーリー』などのルパート・グールドが務める。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

ミュージカル映画のスターだったジュディ・ガーランド(レネー・ゼルウィガー)は、遅刻や無断欠勤を重ねた結果、映画のオファーがなくなる。借金が増え続け、巡業ショーで生計を立てる毎日を送っていた彼女は、1968年、子供たちと幸せに暮らすためにイギリスのロンドン公演に全てを懸ける思いで挑む。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)Pathe Productions Limited and British Broadcasting Corporation 2019
(C)Pathe Productions Limited and British Broadcasting Corporation 2019

「ジュディ 虹の彼方に」栄光と悲惨に彩られた伝説的な生涯。哀切で複雑なニュアンスに富んだ演技が見事

 ジュディ・ガーランドはフレッド・アステアと並んで20世紀のショー・ビジネス、映画史を代表する天才エンターテイナーである。

ジュディは子役でスタートし、「オズの魔法使」(39)の少女ドロシーに抜擢されて一躍スターダムに上り詰めたものの、ハードなケジュールをこなすためにMGM首脳部から興奮剤や減量剤、果てはアルコールまで大量投与された。その結果、神経を病んで自殺未遂、入退院を繰り返し、結婚を五回、カムバックを六回経験している。その栄光と悲惨に彩られた伝説的な生涯は、これまでにも何度かドラマ化されている。

 「ジュディ 虹の彼方に」は、そのような暴露的な波瀾万丈の一代記ではない。最晩年、一九六八年のロンドンのクラブ「トーク・オブ・タウン」のライブに出演した際のエピソードを中心に、ジュディの最後の華やぎの日々を控えめなタッチで描いている。ジュディ・ガーランドを演じたレネー・ゼルウィガーは〈トロリー・ソング〉〈サンフランシスコ〉〈オーヴァー・ザ・レインボー〉などのジュディの持ち歌を研究し尽くし、歌い込んでおり、とりわけジュディ独特の、笑っていても怯えた小動物のような暗さを垣間見せる“泣き笑い”の表情を見事に表現している。この哀切で複雑なニュアンスに富んだ演技によって、レネー・ゼルウィガーが第92回アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞したことはまことに喜ばしい。彼女が受賞のスピーチで語ったように、かつてジュディ・ガーランドは映画史に燦然と輝く大傑作「スタア誕生」(54)で本命と言われたもののオスカーを逃してしまい、失意の果てに、ふたたび薬物依存症に陥ってしまった経緯があるからだ。

 ジュディの生涯最高のパフォーマンスは、MGM最後のミュージカル映画「サマー・ストック」(50)のラストで黒いスーツの男たちを従え、太腿も露わな網タイツ姿で「ゲット・ハッピー」を歌い踊る官能的なシーンだが、そこに漂う妖しいまでのゲイ・テイストはひと際、印象的だった。

 現在、ジュディの存在自体が<ゲイのアイコン>と化しているのは有名だが、この映画のラストシーンが、深い感銘を呼び起こすのは、ハリウッドによって絶望の淵にまで追いやられたジュディと、歴史の闇のなかで疎外されていた性的マイノリティたちの熱い連帯が表明されているからである。(高崎俊夫)

映画.com(外部リンク)

2020年3月5日 更新

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