設定は面白いが謎解きがパンチ不足
- ポルティ さん
- 2021年2月7日 16時13分
- 閲覧数 490
- 役立ち度 0
- 総合評価
プロットだけ読むとすごく面白く感じるが、設定の良さを生かしきれていない残念作という印象だ。
どんでん返しが重なって先が読めない展開のわりにはどうもミステリーとしてのパンチが弱い気がする。一見うまくまとまっているようでしっくりこない感がつきまとうのは、トリックのネタバレが自分の期待したものと違ったからだろう。
国際色豊かな9人もの翻訳家キャラを揃えておきながら、各人の掘り下げが浅く、あれなら別に9人も必要ないのでは?という気がしないでもない。
9人の共通語が英語でなくフランス語というところなんか、ヨーロッパの香りが凄く雰囲気あるんだけどなあ。あとオルガ・キュリレンコの美しさを堪能出来るという点でもポイント高い。
考えて見れば、外国文学を自国語で読めるのはひとえに翻訳家のおかげなのに彼らに陽が当たることはほとんどない。原作者の名前は出ても翻訳家の名前は出ることはないが、もう少し彼らの仕事は評価されるべきだと思う。
詳細評価
イメージワード
- 未登録
このレビューは役に立ちましたか?