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ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏 (2018)

JEREMIAH TERMINATOR LEROY

監督
ジャスティン・ケリー
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3.27 / 評価:33件

この姿、バレそうな気満々だよね?

  • min***** さん
  • 2020年3月15日 17時29分
  • 閲覧数 179
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

小説「サラ」シリーズなどで知られる“架空の作家”、J・T・リロイの騒動の顛末を、サヴァンナ・クヌーブさんによる自叙伝「Girl Boy Girl: How I Became JT Leroy」を原作に描くヒューマンドラマ。

福岡では封切りから約1ヶ月遅れで公開。
私個人、騒動のことはおろか、J・T・リロイって“架空の作家”がいたなんて、作品情報を得るまで全く知らなかった。

2001年、サヴァンナは実家を離れ、兄のジェフが住むサンフランシスコに上京した。そこで彼女は、ジェフのバンドメンバーである女性・ローラと出会う。
ローラは“J・T・リロイ”として作家活動をしており、著作は大ヒット。これまでもセレブ相手に“美少年キャラ”で電話応対していたローラだったが、彼女は中性的な魅力を持つサヴァンナに、J・T・リロイの“影武者”を依頼する。

初めは軽い気持ちで始めたJ・T・リロイの“影武者”だったが、その後、作品の映画化の話が出てくる。そこで出会ったエヴァの魅力に、サヴァンナはメロメロ。ますます“影武者”がやめられない状況に・・・。
進行と共に、J・T・リロイのカツラもショートからそこそこ長くなって、なんだか女性寄りの見た目に。
ついでにローラも、スピーディというマネージャーのふりをして、正体がバレないように行動を共にするけど、どう考えてもウザいおばさんにしか見えない(笑)。

見終えてすぐに思ったのは、「よくこれでずっとバレなかったな・・・」という小学生並みの感想だった。

前半あたりで「怪しいじゃない?」という本屋のお客さんがいたり、フランスでの記者会見で「美少年じゃないよね?女性だよね??」と疑われたりしたものの、結局正体がバレるきっかけとなった記事が出たのは映画の終盤に入ってから。まあ、この辺は事実らしいので置いとこう。
にしても、そもそもカツラにサングラス、ついでにスピーディ(ローラ)のあの手この手もあって、どう考えてもいつバレてもおかしくなかったように思ってしまったのは気のせいだろうか。うっかりこけてカツラが取れてバレる・・・という、しょうもない展開を期待してしまった私がいた(笑)。
だからか、あの男性記者さんには同情してしまったよ。

鑑賞後にパンフレットなどで知ったが、物語は実話ベースではあるものの、エヴァ(実際に映画「サラ、いつわりの祈り」を監督していたアーシア・アルジェントがモデル)のキャラクターなど変えた部分もあったそう。
映画の内容に事実と違う部分があるのは良くある話だが、特にエヴァの描写については、その後のアーシアのあれこれもあって、何だか微妙な気分になる。

で、記事が出てから数年後の再会にすっ飛ぶというまさかのラスト。
つまり、「J・T・リロイはローラが作った架空の人物」と公言するまでのいきさつについて、この作品ではあまり触れられていない。そのあたりも結構なドラマがありそうだったのに、そこをがっつり省略してしまったのがどうも気になる。
脚本のバランスがとれていないなと感じてしまった。

ただ、サヴァンナとローラ、それぞれが抱えていた苦しみは理解できる。
かつてのローラの苦しみが、J・T・リロイという“人物”を生んだこと。そのJ・T・リロイを、サヴァンナが演じることによる苦しみ。それぞれ大変だったに違いない。
劇中、サヴァンナが何度も“影武者”をやめようとしたくだりが出てくる。その苦しみがサヴァンナの本音のようで、彼女視線で描かれたこの作品の一番良いところだった。

総じて言えば、いくつか評すべき部分はあるものの、脚本が良くなく、演出も普通。結果的にはわりと凡作になってしまった感のある作品だった。
まあ、J・T・リロイという“人物”を知っただけでも、この作品を見た価値はあるんですけどね・・・。

実録ものあるあるの「エンドロールでご本人登場」がなく、鑑賞後にいろいろ写真を調べてみたが、わりとそっくりだったことが分かった。
まあ、サヴァンナは映画でもご本人でも、“J・T・リロイモード”より普段の姿のほうがイケメンな気がします・・・。

2020/3/14@中洲大洋映画劇場

詳細評価

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