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浅田家! (2019)

監督
中野量太
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3.97 / 評価:2034件

父を亡くした少女の「家族写真」に感動した

  • rfm******** さん
  • 2020年11月30日 23時52分
  • 閲覧数 832
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

映画では政志が、自分の家族を使って様々なシチュエーションの「家族写真」を撮り続ける。その視点がユニークで面白い。次に政志は、全国を回って家族写真を撮る。事前にその家族から話を聞き、その家族らしい写真を取る政志の方法に感心した。
 ただ、映画の前半だけで終わったら、一風変わった写真家の出世物語としてそれなりに面白いが、それほど感動しなかっただろう。後半の東日本大震災のパートが、とても感動した。
 9年前の出来事とは言え、未だに津波や被災地の様子を見るたび、当時を思い出して心が痛む。高原家の家族を探しに政志が野津町に行くが、カーナビが高原家だと示す場所に家は無く、瓦礫の山があるだけだった。高原家の人は亡くなったのだろうかと、この場面を見て呆然とした。
 津波によって泥だらけになった写真を洗浄して持ち主に返す小野の活動を見た政志は、活動に協力する。写真家として、持ち主がどんなに写真を欲しがっているか、理解しているからだろう。
 さて、政志達の写真返却の活動に罵声を浴びせた男性が、写真が全て津波で流されたので、亡くなった娘の遺影にする写真を探しに来る。見つかった時は泣きながら感謝していた。写真が持つ思い出の力を感じ、この場面も感動した。写真が見つかった人々は、口々に感謝の言葉を述べていた。政志が最後に「人が失った物を補えるのは記憶だけで、それの記憶を確かな物にしてくれるのは写真。思い出を残すだけでなく、時にはその写真が今を生きるための力にもなるんだ」と言っていたが、その通りであると感じた。
 父親を亡くした莉子が、政志に家族写真を撮って欲しいとお願いする。それはできないと政志は断る。莉子は「浅田さんは写真家でしょ。だったら撮ってよ」と食い下がり、政志は悩む。確かに父親がいなかったら家族写真は撮れないはず。でも、予告編を見ると家族写真を撮るはずなので、どうやって撮るのだろうかと思った。父親の写真が見つからないので、合成はできないので、誰かに父親の代りをやってもらうのだろうか?などといろいろ考えてみた。
 父親が写った写真が見つからないのは、いつも父親がカメラを構えて家族写真を撮っていたからだった。政志が取った方法は、莉子の父親の腕時計をはめ、父親のようにシャッターを切る事だった。それに気づいた莉子は、これが「内海家」の家族写真だと理解したようで、明るい表情で写真に写っていた。この場面を見て、一番涙が出てきた。
 エンドクレジットで、映画中で登場した再現写真が再び登場し、最後だけ実際の「怪我」の写真が登場した。これを見ると、本物の写真を実によく再現しているのが分かる。特に母が風吹ジュンとそっくりだったのに驚いた。できれば全部の写真の実物と、映画中の再現写真との比較が見たかった。
 写真が持つ力をつくづく感じさせられた。

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物語
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