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燃えよ剣
2021年10月15日公開

燃えよ剣

1482021年10月15日公開

mag********

4.0

岡田准一の存在感がぶっとい背骨になってる

司馬遼太郎の「燃えよ剣」。この何度もドラマになったり映画になったりしている作品を、原田眞人(「クライマーズ・ハイ」とか傑作を一杯撮ってる監督だけど、1番有名なのは「ラスト・サムライ」に役者として出てることかもしれない…^^;)が脚本・監督で映画化したこの一本、とてもいい。 原作が長い歴史小説の場合、2時間の映画にした場合どうしてもブツギリ感がでてくる。丹念に描くシーンと、すっ飛ばすシーンの両方が必要になるからだ。そこを上手くやらないと、シーンシーンは素晴らしくても、映画としては駄目になる(公開が来年に延びた、同じく司馬遼原作の作品がそうなんだよな…^^;)。 しかしこの原田版「燃えよ剣」、ほとんどブツギリ感を感じない。一つには観客に丁寧な説明をしない高速のドラマ展開、そして土方、近藤、沖田らのキャラ立ち(山田涼介の沖田がいい!)とその一貫性がその理由だろう。特に主人公・土方歳三を演じた岡田准一の存在感の強さが、この作品にぶっとい背骨を通していると思う。 一番好きなシーンは、このメインキャラの3人が、剣ではなく、手刀でゆっくり組み合う形を取りながら、芹沢鴨(伊藤英明)を殺す相談をするところだな。彼らの息の合い具合、剣の技の達人具合が観客にゆっくりと沁みてくる。 あと、「形が悪い」ってセリフがよく出てきたなぁ。理屈よりも見栄えにこだわる人生を選んだのが、土方歳三だったということだろうか。 とにかく、この手練れだが、斬新で迫力のある映像を丹念な演出で観せてくれる原田マジックと、岡田准一の「土方ぶり」に酔いしれる150分。楽しみに観に行けばいいと思う。

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