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フェアウェル (2019)

THE FAREWELL/別告訴?

監督
ルル・ワン
  • みたいムービー 170
  • みたログ 244

3.59 / 評価:177件

ハッハッ!

  • koukotsunohito さん
  • 2020年11月15日 0時38分
  • 閲覧数 267
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

“実際の嘘”に基づく物語。

末期癌の祖母にはその事実を伝えずに、本人に悟られることなく親族一同が集まろうという試み。監督自身の体験が基になっている。

主人公ビリーを演じるオークワフィナの「普通っぽさ」がいい。この映画の中では化粧っ気のない彼女が見せる微かな表情の変化が自然で、とてもキュートに見える。

アメリカ的な個人主義と中国的な家族観や死生観の対比。

それがどこか、ある一族のお話を越えて現在のアメリカと中国の関係とも微妙に重なるところが面白い。

ルーツである中国と、国籍を持ち、そこで育って生活しているアメリカ。それらは対立すべきものだろうか。真の多様性とは?

中国人であろうがアメリカ人であろうが家族は家族。

大切な人に嘘をつくことを強いるような社会であってもそこにはそこなりの理屈や集合知があって、ビリーはナイナイや親族たちとの交わりの中でそれを学んでいく。受け入れていってもいいものもある、と。

ビリーの祖母“ナイナイ”が、たとえば「ドラえもん」ののび太の祖母のように理想化された思い出の中の“おばあちゃん”ではなくて、結構言いたいことを言う人なのがいい。

孫娘ビリーには優しいが、孫息子ハオハオの結婚相手の日本人女性のことはアホの子扱い。でも彼女は日本の薬の話もしてたりして屈託がなく、差別意識があるわけでもない。こういう人っているよなぁ、と思う。

おそらく、義理の娘であるビリーの母にも昔は同じような態度だったんだろう。

かつて夫と幼い娘とともにアメリカに渡ったビリーの母の、皆から慕われ愛される義母への複雑な思いにもちゃんと触れていて、このあたりの生身の人間としての描写があるからこそ、ラスト近くのビリーの母の潤んだ目に家族や人間関係の奥深さを感じさせられる。

ナイナイが余命三ヶ月であることを知っているだけに、ハオハオの号泣にもクスッとしながらもらい泣きしそうになる。大好きなおばあちゃんと今生の別れとなるのは誰だってつらいから。

「大切なおばあちゃんに嘘をついて、本人が事実を知らないままお別れするのは嫌だ」という気持ちが強かったビリーが、家族みんなの思いを汲み取って、また彼女自身最良の選択肢として、自らもその「嘘」に加担する。

別れの場面に思わず胸が詰まるだけに、そのあとで“実際の嘘”の正体を知ると、微苦笑とともにまたしてもナイナイへの愛おしさが増してしまう。ハッハッ!♪

詳細評価

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