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フェアウェル (2019)

THE FAREWELL/別告訴?

監督
ルル・ワン
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  • みたログ 235

3.59 / 評価:172件

太極拳は最強なのよ!

  • bakeneko さん
  • 2020年11月20日 14時07分
  • 閲覧数 138
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

北京に生まれでアメリカで育ったルル・ワンが自身の家族に材を採ったー家族ドラマ+中米文化比較映画で、余命幾許も無いと診断された祖母の元に久しぶりに勢ぞろいした親族が体現する―現在の中国の縮図と肉親への愛情を孫娘の目で映し出してゆきます。

NYで親元を出て独り暮らしをしているビリー(オークワフィナ)に、中国に住む大好きな祖母ネイネイ(チャオ・シュウチェン)が肺がんで余命3ヶ月との報告が入る。NYに住むビリーの父母や日本に住む叔父たちは、従兄弟の結婚式を偽装して病状には触れずにネイネイの元に集まる計画を立てるが、感情を隠せないビリーは出入り禁止にされてしまう。しかし長春のネイネイの元に親族が集まったところに何とか旅費を工面したビリーも駆けつけて…というお話で、本人に死期を知らせる欧米と家族に知らせて後は任せるアジアの感性の違いも物語の肝となっています。

母親の為に大掛かりな偽装工作をするー「グッバイ、レーニン!」
真実を隠して偽装結婚式を催すー「ウェディング・バンケット」
死期を迎えた親の為に息子が奮闘するー「みなさん、さようなら」(2003年カナダ映画の方です)
…といった名作を思い出させる作品で、殆ど日本人と同じ感性の中国人の物語なので観ていて素直に感情移入できる映画となっています。

ネイネイの二人の息子がアメリカと日本で暮らしていて、親族の中には子供をアメリカに留学させようとしている者もあるーといったグローバルに家族分散している現在の中国の様子も提示されています。また、“今 現在、お金儲けがしたいのならば中国に住むべき!でもアメリカでの暮らしは経済的なもの以外で潤いを得ることが出来る”という彼らの意見は、経済的な成功を求めてアメリカに移民している他の国の移民と一線を画していて、中国の経済的発展を実感させます。
一方で、墓地の花盗人の話や高級ホテルの常連であるやくざっぽい実力者などー中国のモラルの低さや後進性も赤裸々に提示されていますし、単一で殺風景な集団住宅のビルの群れや乱開発の現状も映し出されています。
日本人と同じ感性の中国人の家族への想いや優しさに感じ入る作品ですが、墓参りの様子(あの世の人の為に、紙のお金や衣服を燃やす)や結婚式の流儀(誰もチャイナドレスを着ないんだ!)に中国独特の文化風俗を観ることもできますし、食卓に並ぶ食材も多彩であります。

また、ピアニスト志望であった監督らしく、音楽チョイスも適材適所となっていて、
バロック風のテーマ曲、
別れの車中でのCome Healing♪(癒しが訪れますように…) 
結婚式でのCaro mio ben♪(いとしい女よ)の独唱―ピアノ演奏は監督のルル・ワン自身!
エンドタイトルのSenza Di Te (Without You)(あなた無しでは)♪ 
ショパン:『別れの曲』のアカペラアレンジ
…は、劇中キャラクター達の心境と見事にシンクロナイズしていますよ!

ねたばれ?
1、人民解放軍には女性も従軍していたんだ!
2、(ネイネイが予想に反して元気なので)妹さんはなかなか夫の元に帰れないなあ~
3、よく見ると、他の家族に比べてビリーは欧米人の様に随分箸の下の部分を握っています(普段あまり使わないのね)。
4、「猫は屋根の上に…」のジョークは、「カプリコン1」でも印象的に使われていましたよね!

詳細評価

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