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フェアウェル (2019)

THE FAREWELL/別告訴?

監督
ルル・ワン
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  • みたログ 235

3.59 / 評価:172件

最後の最後で全力のコメディとは。

  • min***** さん
  • 2020年11月23日 21時20分
  • 閲覧数 281
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

アジア系アメリカ人の女性・ビリーが、自らの祖母の余命を知り、それを本人に告知するか否かで揺れ動くヒューマンドラマ。

私個人、オークワフィナの出演作はなんやかんやで(ネトフリも含めて)ほぼ全部見ているようで、その独特の顔つきも含めて印象に残っている。
そんな彼女が、本年度ゴールデングローブ賞で主演女優賞を受賞した作品を地元セカンドランで鑑賞。

アメリカ・ニューヨークで暮らすビリーは、将来がなかなか決まらず、別の家で暮らす両親からは厳しい目線。それでも、故郷の中国で暮らす祖母との電話は彼女にとってのささやかな楽しみだった。
ある日、ビリーがいつものように洗濯をしに両親の家へ向かうと、父の様子がおかしい。そこで彼女は、祖母が末期がんで余命3か月であることを知るのだが・・・。

物語の大きなカギはずばり、余命宣告の是非をめぐるアメリカと中国の違いである。

中国では家族にがん患者の余命を告げるのだが、当の本人には告げないことが一般的とされている。一方、アメリカでは余命を知るのは個人の権利であり、たとえ家族などの周囲から止められても制限されるものではない。
後半の伯父のセリフでも触れられていた、「ひとりの人生は社会全体のもの」という東洋の考えと、「ひとりの人生は個人のもの」という西洋の考えの違いが、余命宣告の是非の背景にあることが察せる。

ところが、ビリーは幼いころにアメリカに移住し、アメリカの文化の中で育ってきた。そのため、考えもアメリカ人っぽくなり、結果として「おばあちゃんの余命をおばあちゃんに告げるべきじゃないか」と思うようになった。
そんな彼女に対し、家族は中国における余命宣告の考え方に理解を求め、更には「感情が顔に出るし・・・」との理由で結婚式に行くことを止められていた。
このことが終始、ビリーを苦しめることになる。

でも、余命を知ってしまったからには、おばあちゃんとの最期の日々を過ごしたい。そしてできることなら、おばあちゃんに本当のことを話したい。
この家族を心配する思いは、アメリカの“個の文化”で育ったビリーだからこそ抱えられるのであり、後半、「中国に残って、おばあちゃんのお世話をしたい」と言い出したのもそのためだろう。

この作品は「なんやかんやあったけど、おばあちゃんは6年経っても元気です!」という“近況報告”で幕を閉じる。
思わずずっこけてしまったが、冷静に考えてみれば、余命というのは曖昧なものかもしれない(実際、医師から告げられる余命の精度についての研究結果もあるほど)。

映画では急速に変化する中国についても触れられている。
かつてビリーたちの実家があったらしい場所は開発が進み、もはや跡形もない様子。結婚式にあたり、バラバラになっていた家族や親せきが集結した流れからは、中国での核家族化が進行していることがうかがえる。
一方で、家族そろって墓参りをする「清明節」の習慣は根強く残っていて、劇中でもそのシーンがある。だが、コロナ禍の影響で“代理人墓参り”や“バーチャル墓参り”なるものが出てきたことにより、その習慣もきっと変わっていくのかもしれません。

それにしても、全体を通して物語に大きな盛り上がりがなく、シネコンまでの移動疲れもあってか、久しぶりに退屈だな・・・と思ってしまった作品だった。文化の違いなど伝えたかったことは理解できたが、よく分かんなかったシーンも多く、作品の出来としてはちょっとイマイチな気がした。
なによりコメディと聞いて(実際、ゴールデングローブ賞の受賞も「ミュージカル・コメディ部門」だったし)鑑賞したが、特にコメディ要素らしい部分が見当たらず、不満を抱えたまま終了・・・と思ったら、最後の最後で先述の“近況報告”。おそらく、これでコメディにカテゴライズされたのかも・・・と思わず邪推してしまったのでした。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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