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フェアウェル (2019)

THE FAREWELL/別告訴?

監督
ルル・ワン
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3.59 / 評価:179件

中国の披露宴は超盛大

  • 一人旅 さん
  • 2020年11月27日 19時12分
  • 閲覧数 283
  • 役立ち度 7
    • 総合評価
    • ★★★★★

ルル・ワン監督作。

中国生まれアメリカ育ちの女性監督:ルル・ワンによる米中合作映画で、余命僅かの祖母に会うため集った親族一同を描いて、普遍的な家族の絆をユーモラスに導き出していく人間ドラマの秀作となっています。

末期癌で余命僅かであることが判明した祖母に会うため中国・長春に帰郷したNY在住の孫娘を中心とした親族達の姿を描いた作品で、末期癌の場合本人にはその事実を知らせないという中国の慣例に従って、祖母に病気の事実を知らせないまま祖母との最期のひとときを過ごす親族達の日常を細やかに描いています。愛する家族のために嘘や隠し事をするという点では『グッバイ、レーニン!』(03)や『やさしい嘘』(03)を連想させます。

本作は、中国系アメリカ人であるルル・ワン監督自身を投影したかのような存在であるヒロインの孫娘の視点を中心として語られていく家族ドラマであり、病気を本人に知らせないことを是とする中国と、本人に病気を告知するのが当然であるアメリカの文化&道徳観の相違を背景にしているのがユニークです。

アメリカ暮らしが長く中国語を満足に話せないヒロインは当然のことながらアメリカ的思考の持ち主であり、祖母に病気を知らせないことを最初から悪だと考えています。一方で、ヒロインの両親や伯父夫婦は中国育ちなので中国的思考であり、何としてでも祖母に病気の事実を悟られないように取り繕います。本作は、米中間の文化の違いを背景にしつつも、双方が真っ向から衝突するのではなく、アメリカ代表であるヒロインが自分のルーツである中国の文化や伝統に初めて触れ、やがて自身のアイデンティティーの一部として組み込んでいくまでの過程を描いた“中国自分発見ストーリー”でもあります。

そして、病気を本人に告知するかしないかに問わず、余命僅かな祖母に対する彼ら親族の愛情は紛れもなく共通のものであることを提示して、離れていても揺るぐことのない家族の確かな絆と愛情を温かく見出していく家族愛ドラマとなっています。また、猫背のような独特の佇まいと演技感を微塵も感じさせない自然体の存在感を貫いた主演のオークワフィナを始め、アジア系の役者陣が“本当に居そうな”中国の現代家族を好演していますし、ヒロインの父親の風貌が習近平に激似であることが意図してのものなのかちょっぴり気になる作品でもあります。

詳細評価

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