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野性の呼び声 (2020)

THE CALL OF THE WILD

監督
クリス・サンダース
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3.65 / 評価:651件

解説

アメリカの作家ジャック・ロンドンの冒険小説を、ハリソン・フォード主演で実写映画化。未開の地に向けて旅をする冒険家と相棒の犬の過酷な旅を描く。共演に『美女と野獣』などのダン・スティーヴンス、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズなどのカレン・ギラン、『最強のふたり』などのオマール・シーらが集結。『ヒックとドラゴン』などに携ってきたクリス・サンダースがメガホンを取った。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

カリフォルニア州に住むミラー判事(ブラッドリー・ウィットフォード)のもとで暮らしていた雑種犬のバックは、4歳のときにさらわれて売り飛ばされ、そり犬として働いていた。その後再び売られて厳しい環境で重労働を強いられていたところを、一人で旅をしていたソーントン(ハリソン・フォード)に助けられる。世話をされるうちに、ソーントンとの間に信頼と友情が芽生え、彼らは地図にない地を目指す冒険に出る。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2020 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.
(C)2020 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.

「野性の呼び声」豊かな描写力と躍動感が胸を打つ、アニメ界名匠の実写デビュー作

 ブラッド・バードやトラビス・ナイトを始め、アニメ界から実写進出を遂げた例は少なくないが、本作で同様の一歩を踏み出すのはクリス・サンダースという逸材だ。その名を聞いて「ヒックとドラゴン」(10)のどこまでも空高く舞い上がっていく至福の飛翔感を思い出す人も多いはず。傑出した才能の実写デビュー作だけあり、この映画はここぞという場面の躍動感から犬と人間の絆に至るまで、豊かな描写力に彩られた逸品として仕上がっている。

 幕開けは19世紀末のカリフォルニア。裕福な判事の屋敷に暮らす迷犬バックはある闇夜に男たちの手でさらわれ、ゴールドラッシュに沸く極寒の地ユーコンへと送られる。高値で売られた彼はそこで郵便配達員(オマール・シー)のそり犬の一員として加わり、その役目を終えると今度は貪欲な紳士(ダン・スティーブンス)の元で重労働に奔走。かくも飼い主のバトンリレーを辿りながら、バックの野生本能は大自然の中で少しずつ覚醒していき????。

 動物モノだからといって甘く見てはいけない。作り手の揺るがぬ本気度は、撮影監督にスピルバーグ組のヤヌス・カミンスキー、脚本に「ブレードランナー 2049」のマイケル・グリーンを据えた手堅い布陣からも明白だ。さらに主役犬バックの動きはシルク・ドゥ・ソレイユの元メンバーが生身の体で演じ、それを後からCGに置き換えているという。実写とアニメの線引きを超えたこのハイブリッドな効果がとにかく絶大で、生まれて初めて氷の大地を踏む時のおっかなびっくりの表情や、降りしきる雪を全て食べつくしてやろうと無邪気に跳ね回る姿など、バックの一挙手一投足には言葉を超えた愛おしさが満ち満ちている。

 意表をつかれるのは、孤独な世捨て人のようなハリソン・フォードが飼い主としてバトンを受け取るのが中盤以降という構成だ。そこへ向けてお互いの運命の糸を手繰り寄せていく様がなんとも温かく、別々に過ごしてきた時間が長いからこそ、出逢ってからの信頼と絆がより確かなものとなって我々の心にも優しい灯をともす。

 フォードがもたらした存在感の大きさは言うまでもないが、いやそれ以上に、絶妙なタッチで名優と名犬の黄金コンビを成立させたサンダース監督の演出力を高く評価したいところ。未踏の地へ挑んだ彼は真価を解き放ち、見事なアドベンチャーロマンを実らせたのである。(牛津厚信)

映画.com(外部リンク)

2020年2月27日 更新

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