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ソワレ (2020)

監督
外山文治
  • みたいムービー 54
  • みたログ 145

3.44 / 評価:113件

誰かの心に残ると言うこと

  • kap***** さん
  • 2020年9月6日 22時23分
  • 閲覧数 430
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

売れない役者の翔太と高齢者介護施設で働くタカラ。
刑務所を出所してきた父親に襲われて衝動的に刺してしまったタカラを
翔太は連れて逃亡します。
出会って間もない二人の間には、まだ恋愛感情は芽生えていなかっただろう
と思います。
衝動的な、およそ勝算のない後先を考えない逃避行が始まります。

「なんで弱いもんばっかり損せなあかんねん」とタカラに言う翔太ですが
自分はオレオレ詐欺の片棒を担いで弱い者を食い物にしています。

事情も何も知らないタカラのために、何かしようとすることで
クズの一歩手前のような自分の人生に意味を見出そうとしたのでしょうか。

持ち合わせの金もなくなり、二人で金を稼がなくてなならなくなりますが
金を稼ぐと言うとパチンコや競輪しかできない翔太に対して
スナックのアルバイトをして
初めて自分の意志でお金を稼ぐ喜びを知るタカラ。
待ち合わせのコインランドリーで初めて笑顔を見せるタカラ。

父親からの呪縛から逃れたタカラが、次第に人間性を取り戻していく過程が
手に取るように見えます。

余計な台詞や解説なしで見せる映像が心地よい。

主演の芋生悠は原田美枝子や秋吉久美子を思わせる雰囲気を持っています。

幼い頃から父親には暴行を受け、母親には見捨てられ
「カラッポ」だと言うタカラの心が
翔太や逃亡先で出会う人たちによって
ゆっくりと満たされて行きます。

「私に思い出なんかない」「カラッポだ」と言うタカラ。
「誰かの心に残りたいから役者をやっている」と答える翔太。

またタカラが頬を指で引っ張って、無理やり笑顔を作ろうとするしぐさが
何回か描かれます。

二人の言葉と、このタカラのしぐさが結びつくラストシーンが鮮やかです。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 切ない
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