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ハリエット
2020年6月5日公開

ハリエット

HARRIET

1252020年6月5日公開

一人旅

4.0

黒人奴隷の約束の地は…

ケイシー・レモンズ監督作。 アフリカ系アメリカ人として初めて米国紙幣のデザインへの採用が決定していたものの、トランプ政権になって一旦白紙となってしまった実在の奴隷解放運動家:ハリエット・タブマン(1821-1913)の波乱の半生をアフリカ系の女性監督:ケイシー・レモンズが映画化した伝記ドラマの力作で、ブロードウェイで活躍するシンシア・エリヴォが映画初主演を果たしています。 19世紀半ば、メリーランド州の白人一家が経営する農園で家族と共に働かされている黒人奴隷:ミンティをヒロインにして、奴隷主の死をきっかけに南部に売り飛ばされそうになったヒロインが奴隷制の廃止された北部ペンシルベニア州フィラデルフィアを目指したった一人で危険な逃避行を繰り広げていく様子と、その後“ハリエット”に改名したヒロインが、黒人奴隷解放組織「地下鉄道」の一員として、白人による支配の下で苦しむ奴隷達を安全な北部まで連れ帰る活動に身を捧げていく姿を描いた“奴隷解放+女性闘士”の実録モノとなっています。 「黒人のモーセ」の異名で知られる実在の奴隷解放運動家:ハリエット・タブマンの奴隷制からの脱出&抵抗を、彼女に対する憎悪を膨らませていく元奴隷主の白人一家&雇われ賞金稼ぎからの逃避&対峙サスペンスの中に活写していく実録映画で、北部・自由黒人の生気に満ちた表情&暮らしぶりとは対照的に、白人の農園で強制労働させられていた南部・黒人奴隷の過酷な境遇が詳細に描き込まれています(黒人奴隷映画の先駆け『マンディンゴ』(75)ほどの衝撃&生々しさはありませんが…)。 蛇足) 主演のシンシア・エリヴォ自身が歌うエンディング曲「Stand Up」は最高の聴き所で、アカデミー歌曲賞にもノミネートされています。

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