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ハリエット
2020年6月5日公開

ハリエット

HARRIET

1252020年6月5日公開

ind********

2.0

人が人を所有するということ

全く予備知識なし無しで観ると「なんで?」が連続してしまうので、ぜひ予備知識をひととおりググってからごらんください。 シナリオが「人種差別問題」によりかかりすぎて人間を描くことが出来ていないんじゃあないか?という点で、消化不良。 黒人の奴隷制度という厳然とした暗黒史があるので、作品を評価すると人種差別問題を軽視するのか、ととられかねないのでレビューは難しいかな? それに「人が人を所有する」っていうことがどういうことか、日本人にはなかなか理解できないんじゃあないかなあ。 主従関係でもないし、丁稚奉公でもないし・・・この作品に登場する白人所有者は、例えれば「中小企業のワンマン社長ファミリー」みたいなものかな?就業や業務と全然関係ない子供の送り迎えを当番制でやらせてるような・・・社員を自分の子分、所有物と間違っている、のがいますがあれなんか近いかもしれません。 で、主人公のハリエットはそういう白人所有者から黒人を逃亡させる仕事についてるんだけれど、これって足ヌケされる白人にしてみると法的に認められた「所有物」を盗まれるのと同じわけで、法律を破っているのはハリエットということになる。 白人の「所有」を認めてる法律が本来は問題なんだから、そこを解決しないと両者ともに解決することが難しい問題だったんですが、南北戦争という暴力的解決に頼ってしまった。南北戦争で奴隷解放があっても100年近く、この人種差別は厳然と存在する・・・きっと無くならないんだろうなあと。 作品の中で「自由黒人」ということばが出てきますが、これ今の日本でいうなら「自由市民」「自由労働者」といスローガンに置き換えることができるのでは? コロナ禍の政府の対応は国民よりも自民党公明党の政治的思惑がまかり通って、まるで国民が自民党公明党の所有物であるかのよう。ちゃんと対話をすることもなく、説明も適当で、この作品の白人所有者にとてもよく似ています。 「自由」というのは「好き勝手」ということでなく「国と対等」「経営者と対等」であるということなんではないか・・・・そうインスパイアされました。

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