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るろうに剣心 最終章 The Beginning (2020)

監督
大友啓史
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  • みたログ 3,914

3.81 / 評価:3248件

エンタメとドラマ性を両立させた優秀作

  • my******** さん
  • 2021年11月21日 2時29分
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

とにかく有村架純の演技がものすごい。無機質な声と表情でありながらも、複雑な心境が伝わってくる。クライマックスで北村一輝演じる辰巳と対峙するシーンでは痛々しくも「静かな凄み」が溢れ出ていた。感情の幅を表面上では効かせられないキャラクターでありながら、このミニマムさの中で様々な思いを表現出来るなんて…。佐藤健もそうだが、俳優陣はサイコパス寄りの演技だと全てを解き放ち、より演者として輝いて見えるのだが、やはり制限の中でも繊細に表現できる役者は見ていてゾクっとさせられる。

鑑賞中は、どこで巴が心変わりしたのかが見えずに疑問にも思ったが、ラストの日記の内容が明らかになるシーンでの種明かしを受けて、同棲する以前のシーンでの巴が本気で剣心を騙そうとしている演技だったと分かり、彼女のしたたかさも感じれた。文字通り自分も早い段階で「惹かれ始めてるんじゃ?」と騙されていた。

コレオグラクィーはこれまでの独創的な殺陣でアニメの世界観を表現していたものとは異なり、より地に足のついた早切りに特化して作品のトーンとマッチしていたのも印象だった。

間の演出もエンタメ作品とは思えないほど、たっぷりと無言の描写を使っていた。ドラマ性ある作品と娯楽作の両極化の中で、両立させた演出を見せてくれる作品はそうそうない。

音楽もとてもいい。特に邦画ドラマによくある感情を無理に上乗せさせるようなメロディアスな楽曲は使っておらず、静かに背景に流れているような楽曲が多い。

エンタメとして地に足のついた作品なのだが、ちょっと残念だった点も。まず、有村架純のウイッグ。大きすぎる。せっかく最高のパフォーマンスを見せてくれたのに、かなり浮いていた。また、クライマックスの辰巳が剣心にどう切られたかがよく分からなかったので、あの一撃で死んだのかどうかが分からず若干不自然なシーンに感じた。

毎回クオリティーの高い今シリーズだが、今作を最後にして間違いなくアニメ実写化作品における伝説となったに違いない。エンタメ作として優秀なだけでなく、演技をじっくりと見せてくれた今作は、意外と邦画では珍しく娯楽作としてドラマ性を両立させる事に成功した作品であるのが嬉しかった。「The Final」の補完作でもある今作だが、個人的にはこの完成度の高さを見てしまうと、逆に詳細を欠いた演出をしてしまっている前作の価値が少し下がるという本来の意図とは反する感覚もあった。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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