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ソン・ランの響き (2018)

SONG LANG

監督
レオン・レ
  • みたいムービー 29
  • みたログ 35

4.27 / 評価:26件

夜を歩けよ恋せぬ乙男

  • chu***** さん
  • 2020年2月24日 15時43分
  • 閲覧数 768
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

取り立て先宅で留守番をする幼い娘たち。
男が両親を泣かせる怖い人と知らずに優しくもてなす。
果物を食べる前にお祈りをする娘たち。
“おじさんはお祈りしないの”
“俺は無神論者だから”
日々の恵みを感じ取ることなく誰に感謝を感じることもなく無為の日々を過ごす男の心に小さな一滴を垂らした姉妹。

ベトナムです。舞台は80年代のサイゴン。
先日観た「サイゴン・クチュール」とは打って変わって古典的な香りのする映画です。
ベタな話ですけど、ベタはなぜ永遠に不滅なのかと思わせます。
途中からね、観客はわかるんです。
この物語の結末が。
結末が見えるのはいけませんか。
いいえ、そんなことはないのです。
少女漫画のようだと思う人もいるかもしれません。
少女漫画とは人の心の襞を繊細にときほぐす優れた教科書です。
泣いちゃうかな、と準備をするんです。
そして、真実を知らず失望の顔で去る男の代わりに、観客はさめざめと静かに泣くのです。
あったかもしれない未来を想像し。
笑いさざめき切磋琢磨する男たちの楽の音と歌を夢想するのです。

カイルオンというベトナムの伝統歌劇の楽師と女優の子に生れながら、高利貸しの取り立て屋の男ユンと、現役のカイルオンの男優で技術は優れているものの恋知らずのせいで、心がこもっていないと歌劇団の長老に指摘される男リンのつかの間の交流。
ベトナムの歌劇、そして題名でもあるカイルオンに不可欠な民族楽器「ソン・ラン」の音の美しさに触れられるだけでも観る価値があると思います。
そして、悲恋物語の舞台のクライマックスで、リンが遂に己の芸に欠けたものを手に入れる姿を見るのです。

映像も絵になるカットが多いです。

(蛇足)
任天堂の偉大さも再確認

PS
久しぶりに午前中に映画館に行きました。
バーフバリ以来です。
ksシネマという新宿の小さな映画館で10時と12:30の2回上映です。観せる気あるんでしょうか。
以前なら本作品のような作品ならル・シネマでかかったんじゃないかなぁ、と思います。
うっかり全国上映のちょっとアレな“ミッドサマー”の花々に気分が悪くなった方々は、新宿の片隅でひっそりと鳴る楽の音にに癒されては如何でしょうか。
建物の周りはアレだけど中は綺麗な映画館です。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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