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ムルゲ 王朝の怪物
2020年3月13日公開

ムルゲ 王朝の怪物

MONSTRUM

PG121052020年3月13日公開

bakeneko

5.0

ネタバレ朝鮮物怪録(=パンデミック+怪獣)

朝鮮王朝実録に実際に記述されている“物怪”を題材にした、“中世+怪物+パンデミック”アクションの怪作であります。 (鑑賞後の相棒との会話) “ルロロロロロ…ムールゲー” 絶対やると思った。正確な発音は“ムルグェ”みたいだけどね。 でも薄暗い穴や地下室が住処だから「超人バロム1」の地下に住んでいる魔人ドルゲと共通していると思う。 一応、正式な歴史書である「朝鮮王朝実録」に中宗22年(1527年)仁王山に“物怪(ムルゲ)”というものが現れたと記されていることを題材にしたフィクションだ。 フランスの「ジェヴォーダンの獣」も実際の事件だったし、日本では河童や天狗が普通に存在する風に語られているから、中世の記述は当てにならないよ。 この怪物は疫病の感染源でもあるから、病気が具現化したものとも考えられるー西洋の吸血鬼=ペストとか、日本の疱瘡鬼とか… 難しい文化人類学的考察は置いといて、久しぶりの正統派怪獣映画だったと思う。 “悪者たちが怪獣が居るように見せ掛けていると本物が…”-パターンの作劇だ! 先代の皇帝が収集した珍獣が打ち捨てられて、病原菌の為に体躯が変化して…というのも、科学実験や公害汚染、核実験で怪物が誕生する常道を踏襲している。 そして、大きくなった怪獣が育ての親を手に掛けるのもパターンだ―ジラースとかシャモラーとレオゴンとか…。 一旦捕らえられるがクライマックスで縛られていた縄を千切って…は「キングコング」以来連綿と継承されている決まり事だよね。 ラストの極め技=相手に襲わせて、引き付けてからの一発逆転は、「ジョーズ」の最期を連想したなあ。 少人数で怪物を倒すのは「人喰猪、公民館襲撃す!」もそうだよ。 この時代は鉄砲がまだ無いから、武器が弓矢と火薬弾だけというのも怪物に対する無力さが良く出ていたから、投げ縄で脚を一本づつ捉えて捕獲するシーンには力が入ったなあ~ ムルゲ自身は体長も数十mだし、光線や火を吐くなど特殊技能が少ない=地味な怪物なんだけど、人間に比べて動きの速さとパワーの桁違いさが、本当に居そうなレベルの怪物のリアリティを感じさせていて、「グエムル-漢江の怪物-」と同等の怖さを現出させている。 庶民の怨嗟が怪物に…は「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」の“ゴジラ=戦死者の怨念”と共通している。 初代ゴジラじゃないんだ あれはアメリカそのものの象徴だよ!最初に上陸してから海に戻るまでのゴジラの進行ルートが東京大空襲のアメリカ軍の爆撃の被害進行と完全に一致しているし、放射能を吐くのは原爆、自衛隊の攻撃が全く効かないのは太平洋戦争で歯が立たなかったことを反映している。 “人間を食べる”怪獣ってのも久しぶりだよね! 昔は怪獣映画と言えば、ガイラとかギャオスの人間捕食シーンが見せ場だったものだ(遠い目) しかし、この時勢(2020年3月)に“パンデミックパニックもの”ってのもタイムリー過ぎるなあ~ くれぐれも、この映画の様に“患者と健常者を区別せずに隔離”って事になりませんように… それって、首都封鎖…(以下自粛) ねたばれ? 1、ムルゲの子供時代は結構可愛い! 2、実質的に執政権を掌握しているのならば、別に皇帝を失脚させなくてもよいのでは?

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