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ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ
2020年10月2日公開

ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ

982020年10月2日公開

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5.0

土を耕す大統領が教えてくれる幸福論

ムヒカの自宅の本棚が映った時、チェ・ゲバラの本があった。そして、チェ・ゲバラの胸像のミニチュアが飾ってあった。 当然、そういう人か?と思うワケ。そういう人が、どんな言葉を語るのだろう?と思うのだ。少しだけ距離感が必要なのか? 冷静に考えて… 南米にとってゲバラはどういう人だろうか?と、画面を観ながら考える。革命家で名を馳せた人物。その後に作られた国家…。ムヒカという人の奥底は、日本人に理解出来る人物なのだろうか…? 彼は語った。 『世界でいちばん貧しい大統領』と呼ばれる所以を。 「大統領は多数派に選ばれるのだから、多数の人と同じ生活をしなければならない。国民の生活レベルがあがれば自分もちょっとあげる。少数派ではいけないんだ。」 衝撃を受けたよね。 日本だけでなく、世界中で政治家の利権問題のニュースが飛び込んでくる時代に、清貧そのものの政治家がスクリーンの中にいた。 彼は、日本の菊を植える農民だ。トラクターで土を耕す大統領だったのだ。 彼は、大統領任期中、報酬の8〜9割を慈善事業に寄付していたという。家を持たない国民が住める住居を作るために。農業学校の建設にも寄付したという。そして、自身も質素に土と共に生きている。 僕自身は、三国志が好きで、数多存在する人物を知るために人物評を読んだりする。ムヒカは、西暦200年前後に存在した清貧の政治家と同じような生活だった。この時代、この世界に、こんな政治家が居た事に驚く。 スクリーンの中の農夫にして政治家の男は、柔らかく、力強く、ゆっくりと話しかける。目の奥に潜む人生の苦悩を乗り切った優しさを携えて。 働く者の手が、分厚くガサガサでも、素敵なシワを刻むように、ムヒカの言葉には人生と優しさのシワが刻まれている気がする。 魅力的な人物だ。 そして、不思議な人だ。 菊の花。チェ・ゲバラ。 解き明かされる過去の出来事。 それが、この映画の一部だ。 そして、この人物に惚れ込んだ監督の想いがスクリーンから滲み出ている。 なんて人だ!ムヒカ…。 監督のように惚れ込んだ僕が居た。 惚れ込んだ僕だもん、広島で語ったムヒカの言葉に涙が出たよ。ありがとうムヒカ…と。 僕にとって、それだけで良いんじゃないかなぁ…この映画は。 だって、ムヒカの種を心に貰った気がする。彼の想いの詰まった種を心の大地に育てたい。 とりあえず、パンフレットにあったムヒカ語録は、無形の宝物になったよね!

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