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ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ

ひーろーかむおん

4.0

世界でいちばん心豊かな大統領

…自粛生活中にWOWOWで映画三昧の日々を過ごし、レビューが一杯溜まってしまったので、ザックリと一口寸評にする。  内容は、WOWOWの解説の次のとおり。  『2012年、ブラジルで開催された国連会議の場で、当時のウルグアイの大統領ムヒカは「われわれは経済発展のためにではなく、幸せになるために生きているのです」と発言。  このスピーチは一躍世界中を駆け巡り、大きな話題に。  それに感銘を受けた日本人の田部井監督は南米へ出向き、ムヒカにアポなし取材を敢行。  そこで彼が日本のことに精通していることに驚いた同監督は、さらに密着取材を重ね、彼の意外な過去を知ることとなる。』  無知ゆえに、ムヒカ大統領のことは全く知らなかったので、冒頭の国連会議での主張からして新鮮で惹き付けられた。  他国のお偉いさんたちが無機質な経済対策を大上段に振りかざす中、彼は小難しい経済用語など一切交えず、真の人間幸福論を訥々と語り始めるのだ。  目線が庶民全般に向けられているので、共感すること仕切りだ。  風貌も好々爺然としているので、近所のお爺ちゃんから身近な経験談を聞かされているような気持にさせられる。  そんな彼の若かりし日々の壮絶さにも驚かされる。  反政府ゲリラ組織の闘士だったのだ。  4度の逮捕(そのうち2回は脱獄)を経験し、1972年に逮捕された際には、軍事政権が終わるまで13年近く収監され、軍事政権側の人質として扱われていたのだ。  そう言えば、彼の粗末な家の本棚にはゲバラの本もあり、13年もの収監の間も、読書だけが唯一の愉しみで、彼の人格形成に大いに役立ったのだった。  ラスト、日本の東京外国語大学での講演・生徒たちとの質疑応答にも器の大きさ・実直さが滲み出ていて、感涙する生徒がいたのもむべなるかなだ。  ネクタイは現代文明の奴隷の道具と思っているので、どんなに公式の場でも締めることはないそうだ。  冒頭の「われわれは経済発展のためにではなく、幸せになるために生きているのです」に近しい一文は次のとおりだ。  「貧乏な人とは、少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲望があり、いくらあっても満足しない人のことだ」  「世界でいちばん貧しい大統領」は「世界でいちばん心豊かな大統領」でもあったのだ。  非常に見応えありの4.2点といったところかな。  (メモ パスワードを忘れてトラブってしまったので、新たに開設した。  旧(fg9)レビュー数:4100件、新レビュー数34件目)

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