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グランド・ジャーニー (2019)

DONNE MOI DES AILES/SPREAD YOUR WINGS

監督
ニコラ・ヴァニエ
  • みたいムービー 127
  • みたログ 163

4.43 / 評価:117件

現代版『ニルスの冒険』。

  • pin***** さん
  • 2020年11月19日 22時25分
  • 閲覧数 137
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

渡り鳥の保護のために、危険の少ない渡りのルートを鳥たちに教えようとする鳥類学者と、その家族の物語です。

さまざまな切り口で鑑賞することのできる、すぐれた作品でした。

まずは、自然保護の観点から。
ヨーロッパの人々がこんなにも苦心して自然保護に取り組んでいることに感動します。
もちろん、ヨーロッパの人々がみな自然保護に取り組んでいるというわけではなく、主人公らとは反対に鳥類の絶滅などなんとも思わずに、湿地の開発を進める政治家も登場します。
でも、自然保護への熱い心を、なんのてらいもなく打ち出せるところにヨーロッパの真面目さが感じられます。
日本だと、何だかだと理屈をこねくり回して、こうした活動から遠ざかろうとする傾向があります。
恥ずかしいです。

自然保護の映画ですから、当然のように、美しい自然が映し出されます。
ノルウェーのフィヨルドの素晴らしさは圧巻。
そして雄大な自然とは対照的な、可愛らしい鳥たち。
雛の可愛らしさはもちろんですが、飛翔するガンたちの姿を間近にとらえた姿もまた圧巻です。
その昔、つくば科学博のサントリー館で鳥の飛翔の姿を間近でとらえた映像に感激したものですが、この作品の中にまったく同じような映像が現れ、ふたたび感動してしまいました。

そして、冒険による成長の物語。
渡り鳥たちを誘導するために、ノルウェーからフランスまでを超小型飛行機で飛びます。
本来は父親の鳥類学者が飛ぶはずだったのが、思わぬアクシデントから息子のトマが飛ぶことになってしまいます。
ゲーム三昧のオタク少年トマが自然と格闘する父親の姿に感化されて、ついには一人でガンたちを連れて飛び立つ姿は感動させられます。
手に汗握る少年の飛行旅行。
少年が鳥たちと空を飛ぶ姿は宮崎アニメをも彷彿とさせてくれます。
鳥だけでなく、少年の飛行シーンも素敵です。
ゲーム三昧のオタク少年トマが自然と格闘する父親の姿に感化されて、ついには一人でガンたちを連れて飛び立つ姿は感動する。
心境の変化と同時に、グリスで塗り固められたトマの髪型が、次第にナチュラルなものになっていきます。
まさに、少年トマの成長の物語です。

そこに、あのノルウェーの国民的作品『ニルスの冒険』がオーバーラップします。
旅の途中で少女から名前を聞かれ「ニルス・ホルゲン」と答えるところは、ちょっとしたお遊びのはずなのに、なぜか、お腹の中から暖かいものがわいてくるような気がしました。

そして、家族の再生の物語。
たぶん、鳥類研究に打ち込みすぎたんでしょうね。
別居生活をしていた夫婦が、息子の冒険を機に再び歩み寄ります。
ケストナーの『ふたりのロッテ』のようでもあります。
やはり児童文学的な作品です。

その昔、学校には巡回映画というのがありましたが、もし、今日でもそんなものがあるのなら、ぜひ、子どもたちに見てもらいたい一本です。

湿地帯保護に熱い思いを寄せる町長を、フランスの怪優ドミニク・ピノンが演じています。
少ない登場場面ながら、しっかりと存在感を示しています。

詳細評価

物語
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