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オフィシャル・シークレット (2018)

OFFICIAL SECRETS

監督
ギャヴィン・フッド
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  • みたログ 270

4.02 / 評価:216件

日本の官僚や新聞記者にもぜひ見てほしい!

  • hig***** さん
  • 2020年9月1日 0時38分
  • 閲覧数 440
  • 役立ち度 6
    • 総合評価
    • ★★★★★

「私は国民のために働いているのだ。政権は変わる。政権が嘘をついて国民を騙すために働いているのではない。」

GCHQ(英政府通信本部)で働くキャサリン・ガンは、米NSAからの「イラク侵攻に関する国連決議を有利にするために、国連非常任理事国の代表を盗聴せよ」という、アメリカがイギリスに違法な活動を要求するメールを見て大いなる疑問を抱く。

情報機関に所属している以上、秘密の秘匿は絶対であるが、放置すれば自国民を戦争に巻き込みかねない国際法上違法なメールの内容を黙っててよいのか?

キャサリン・ガンはこのメールを匿名でマスコミにリークし、英国の情報機関、マスコミ、裁判所を巻き込んで、一大事件が巻き起こる。

私はこの事件を本作を見るまで知らなかった。イギリスでは大事件として誰もが知ることのようだが、アメリカでもほとんど報道されておらず、主演のキーラ・ナイトレイもオファーが来るまで知らなかったらしい。

冒頭に挙げた台詞「私は国民のために働いているのだ。政権は変わる。政権が嘘をついて国民を騙すために働いているのではない。」はキャサリンが取調官に言う台詞だが、これなんぞ、日本の官僚に聞かせてやりたい。誰もがこういった矜恃を持っていれば、日本でも公文書の改竄など起きなかったろうし、赤木さんも死ななかったはずだ。

作品は大きく分けて
第一幕「キャサリンがリークするまで」
第二幕「オブザーバー誌が記事にするまで」
第三幕「キャサリンの裁判」
の三幕に分かれる。

そしてメインキャストも、当事者のキャサリン(キーラ・ナイトレイ)、記者のマーティン(マット・スミス)、弁護士のベン(レイフ・ファインズ)の3人がそれぞれ一人称視点を分担し、それぞれの視点からの見せ場がある。

「新聞社はいつから政府の広報機関に成り下がった? さあ『記事』を書くぞ!」

それまで開戦支持であったオブザーバー誌は、政府からもらった情報をもとに記事を書く政府の広報誌に成り下がっていたが、この千載一遇のトクダネを記事にするかどうかで大揉めになる。

明らかな政府の不正を知ったとき、これをねじ伏せるのがジャーナリズムと呼べるのか? 

この第二幕も本当に日本の新聞記者たちに見せたい。「政府の広報誌」と言われて自分たちのことだと思う輩も数社いるだろう。他国の話だが、ジャーナリズムは権力を監視するチカラだということを思い出してほしい。日本の報道の自由度は現在66位。共産国を除けば先進国ではほぼ最下位だ。

そして裁判までを扱う第三幕。

キャサリンは明らかな「公務秘密法違反」を犯しているわけだが「無罪」を主張する。それは「国民の命を救うため、違法な戦争を止めるため」にした「正しい」行動だったと確信しているからだ。

法律的には明らかに有罪なキャサリンにどういう判決が下されるのか?

監督は『アイ・イン・ザ・スカイ』のギャヴィン・フッド。私の大好きなキーラ・ナイトレイが社会派のドラマでまた違った魅力を見せてくれます。

知られざる、イラク戦争開戦の裏で起こったイギリス政府を揺るがした大事件の映画化。この手の社会派作品がお好きな方にはオススメです。



*日本もこの当時、安保法制とか無理無理に決めさせられたのは、同様にアメリカからの要請に屈した(便乗した)せいだったんだろうな。

*SNS上に流布してる安倍総理と爆笑問題太田の対談映像で、
「イラク戦争を支持したのは正しかったのか?」という太田の問いかけに、
「あの時の決断は正しかった」と安倍。
「大量破壊兵器はなかった」と言う太田に、
「あったかもしれない」と返す安倍。
「『あったかもしれない』でたくさんのイラク人が死んだんですよ!」と返す太田。
いつの日か、アメリカに対しても「正しくないことは正しくない」と言える日本になってほしい。キャサリン・ガンは命がけでそれをやったんだから。

詳細評価

物語
配役
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音楽

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