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上映中

望み (2020)

監督
堤幸彦
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3.84 / 評価:858件

それでもお弁当を作る母親の強さに感銘

  • ywr***** さん
  • 2020年10月23日 14時11分
  • 閲覧数 999
  • 役立ち度 8
    • 総合評価
    • ★★★★★

世の映画館は鬼滅一色で、この時期に公開の映画はほとんど注目されず、ちょっとかわいそうな扱いです。売店には、鬼滅の上映時間前にだけ、長蛇の列で、上映開始後はピタッとおさまるという状態。とは言っても映画館が賑わうのはいいことです。

さて、「TRICK」シリーズや「20世紀少年」シリーズなどの、堤幸彦監督、本作は少し前の監督作の「人魚の眠る家」に近いテイストです。ある日悲劇の主人公になってしまい、当然ハッピーエンドも望めない流れで、好き嫌いが分かれる映画です。映画館に行ってまで嫌な気分になりたくないという人は観ないでしょう。個人的には疑似体現ができるという理由でこういった系統は好きです。人魚~も本作もありえなくはない話。もしこうなったら自分はどう考えるのか、それを真剣に2時間考えられる機会というだけで貴重です。

本作が興味深いのは、ある日息子が犯罪に巻き込まれたら?という状況に、父親と母親の「望み」が違っているという葛藤がプラスされていることです。

今後、犯罪者の家族として、ずっと縮こまって生きていかなければいけないとすれば、息子が被害者で、既に死んでいるほうがまだいいと考える父親(堤真一)や有名私立高受験を控えた娘(清原果耶)の考えは分かります。その一方で、石田ゆり子さん演じる母親の強さというか、子への愛情というか、例え殺人犯であっても、生きていてほしい。むしろ、それを望んでいるという、この気持ち。母親ってすごいなという思いでした。

印象的なシーンは、まだ被害者か加害者かもわからない、所在もわからない。「(逮捕されたとして)お弁当などは難しいかもしれないけれど、タオルなどの生活用品であれば差し入れできると思う。」と記者(松田翔太)から聞き、息子はおなかを空かせているに違いない。と食材を大量に買い、料理を作り続ける。

この段階で、生きている確率や、お弁当の賞味期限、そもそも渡せるのか?という低い確率の掛け算をしていけば、料理したって無駄だと思うでしょう。でもそんなことは微塵も考えずに、食べてもらいたいと思って作り続ける。石田ゆり子さんのお母さんに「どんな方向に行ったって、覚悟さえあれば大丈夫」と言われてからの、彼女の覚悟の強さ。

演じていて本当に重苦しかったと思いますが、堤真一さん、石田さん、堤さんの仕事つながりの工務店社長の竜雷太さん。彼らベテラン勢の圧巻の演技があったからこその説得力のある映画でした。

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