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今宵、212号室で (2019)

CHAMBRE 212/ON A MAGICAL NIGHT

監督
クリストフ・オノレ
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3.46 / 評価:46件

守れない誓いを立てる若さに恋は煩うもの

  • dr.hawk さん
  • 2020年7月17日 20時58分
  • 閲覧数 376
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

2020.7.16 字幕 京都シネマ


2019年のフランス映画
不貞を開き直る妻のもとに若かりし日の夫、元カレなどが現れるファンタジーラブコメ
監督&脚本はクリストフ・オノレ


物語は大学で法学を教えているマリア(キアラ・マストロヤンニ)が教え子と不倫をしているところから紡がれる

他の女とバッティングしてカーテンに隠れていたマリアだったが「やってられない」と姿を現し、二人に罵声を浴びせて去っていく


マリアには20年連れ添っている夫リシャール(バンジャマン・ビオレ、25歳時:ヴァンサン・ラコスト、14歳時:コリア・アビデブール)がいたが不倫に関しては隠し通していると思っていた

だがその夜、リシャールは妻のスマホに「不倫をほのめかすメール」が届いているのを見てしまう

問い詰めるリシャールに対し、マリアは「結婚生活を続けるのに必要な火遊びよ」と開き直って自論を展開する

「僕は一度も不倫をしていない」とリシャールは荒れ、そのまま部屋に閉じこもってしまった

マリアは夫と距離を置くために、向かいのホテルに部屋を取って彼の様子を眺めることにした


物語はうたた寝から起きたマリアのもとに25歳のリシャールが訪れるところから動き出す

「君はひどいことをした」と詰られ、過去の恋愛遍歴が紐解かれていく

そこにマリアと結婚する前にリシャールが付き合っていたイレーヌ(カミーユ・コッタン、60歳時:キャロル・ブーケ)も登場

また母まで参戦してきて「元カレリスト」を読み上げてしまう

そんな中、イレーヌは「私にリシャールを返して」と言い、現在の彼のもとへと行ってしまうのである


家族になったことでときめきが消え、恋が終わってしまったマリア

リシャールは同じ時間を歩みながら、恋を愛に変えていく

この二人の恋愛観の相違がズレを生んできたのだが、一方的にマリアだけが悪いわけでもない


時として女性は「永遠に女性として見られたい」と言う願望があり、それは母になっても同じである

ふたりはある日を境に家族となってしまうのだが、老いていくマリアに対する余計な配慮がそうさせていったように見えなくもない

もっともマリアの本性を誤解していたところもあるのだろうし、この辺りが男女間の恋愛観、セックス感の違いではないかと感じている

元々マリアの性癖として「ハンティングタイプ」と言うのがあって、冒頭の街角で「良い男を見つけると振り返って立ち止まる」と言う習性がある

恋や性に貪欲で、それこそが自身の女性としてのアイデンティティの根幹になると考えている

だからこそ「現役」でいることが夫に対する敬意にように勘違いしているのである


だが男性側はそうは見ない

年輪にふさわしい関係性を深め、パートナーとの絆は性的な関係の維持が必要ではないと考えるのである

彼のセリフに「過去こそが愛に自信を与える」と言う言葉がある

リシャールにとっては重ねてきたものの深みにこそ「愛の価値」はあると信じ、その根幹となるのは精神的な充足なのである

またマリアが奔放で誰と寝ようとも必ず最後には自分のところに帰ってくると信じている

リシャールは「行為」に対する怒りよりも、その行いを正当化するマリアに対して怒りを感じ、自分の愛が届いていないことに憂慮しているのである


いずれにせよ、この映画では「夫婦を続ける秘訣」を様々な形で描いている

イレーヌは「誠実さとユーモア」だと言い、リシャールは「仕事と同じく努力が必要」と言う

リシャールの結婚観には「結果」が必要であり、それは「積み上げて深めてきた絆」と言う形で評価されていく

そしてその絆を測る物差しが「そばにいる」と言うわかりやすいものだった

だからこそ、リシャールは最後に「今夜は帰ってくるかい?」と訊くのである

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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  • ロマンチック
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