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お名前はアドルフ? (2018)

DER VORNAME/HOW ABOUT ADOLF?

監督
ゼーンケ・ヴォルトマン
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3.59 / 評価:80件

登場人物の癖強すぎ、予測不可能な会話劇

  • min***** さん
  • 2020年12月21日 22時49分
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

2010年にフランスで上演された舞台「名前」をドイツで映画化し、ディナーに集った男女5人が激しい舌戦を繰り広げるシチュエーションコメディ。

2020年もあと少し。そろそろ年間ベストを決める時期だが、困ってしまった。個人的事情とコロナのせいでまだまだ作品数が足りない!
ということで、今回から始まる「2020・年の瀬見逃したシリーズ」。最初はコロナ自粛明けぐらいに封切され、密かに気になっていた舞台劇発のコメディもの。

ドイツのボンという街に住む哲学者のシュテファンと、その妻で国語教師のエリザベト。夫婦はある日、エリザベトの弟・トーマスとその恋人・アンナ、更にはエリザベトの親友・レネを招いてディナーをすることに。
アンナ以外の4人がそろったところで、話題はもうすぐ生まれてくるトーマスとアンナの子どもの話に。トーマスはこの子どもの名前を“アドルフ”にしたと明かした。これにシュテファンは怒り出す。

作品前半では、“アドルフ”という名前の是非が中心となっている。
劇中でも触れられた通り、今でも“アドルフ”と名付けることはできるが、ヒトラーの影響もあって、実際に名付けようとする人はほぼいないと言う。それどころか、シュテファンのように怒りだす人もいるだろう。それだけ、ドイツ国民にとってヒトラーがいかに恐ろしい存在だったかが分かる。

いや、この作品の主題はヒトラー云々ではなく(そもそもそういう作品じゃないし)。

作品が進むと、トーマスが子どもに“アドルフ”と名付けようとしたのは冗談で、本当は父親と同じ“パウル”という名前にしようと考えていたことが分かる。
冗談だったとはいえ、“アドルフ”という名前がどうしても許せないシュテファン。トーマスも慌てて“代わりの名前”を考えるが、何故か独裁者か殺人犯の名前ばかり。
これはやばい、やばすぎるぞ・・・と思ったら、案の定、自己中心的な男でした。

そう、この作品の本当の見どころは、5人の登場人物の癖の強さである。
シュテファン、エリザベト、トーマス、レネ、アンナ。それぞれにどこか強烈な特徴があり、それぞれの演者による迫真の言い回しも相まって、見る者に忘れがたいインパクトを与えてくれる。
個人的にはシュテファンが一番印象深かった。前半パート、”アドルフ”への反対意見を次々と言い出す様子は、ここ最近でも一番の強烈さで、しばらく思い出してしまいそう。

後半になると、主題は暴露合戦へと変わっていき、舌戦はますますヒートアップ。
シュテファンとトーマスの激しい言い争いから始まって、レネが実はエリザベトとトーマスの母であるドロテアに恋してる、という話になり、更にはエリザベトが今までの不満を全部ぶちまける。まさに言葉のバトルロワイアル。
どこへ進むか予測不可能で、いったいどうやってオチをつけるんだろうと、こちらもハラハラドキドキさせられた。

そして、例の子どもがついに生まれる。でも、女の子だった!
・・・それで名前は?
こんなラストシーンでの皆の表情がとても素敵だった。

ドイツ映画で“アドルフ”と名付け・・・というきっかけで選んだこの作品だったが、見終わってみれば、ここ最近でもセリフの応酬が凄い会話劇で、そういう点でかなりぶっ飛んでいる映画だった。
少ない登場人物の活かし方や予測不可能な展開が優れている点で、制作側(主に脚本担当)のアイデア勝ちかな、と思います。

あ、アディダスの創設者の名前も“アドルフ”ってことを、この作品で初めて知ったのは内緒。

詳細評価

物語
配役
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音楽

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