2020年8月14日公開

赤い闇 スターリンの冷たい大地で

MR. JONES

PG121182020年8月14日公開
赤い闇 スターリンの冷たい大地で
3.7

/ 192

18%
45%
30%
5%
2%
作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(43件)


  • ter********

    4.0

    ジャーナリストがどうあるべきかを問う普遍のテーマ

    ウクライナの悲惨な歴史の一部分を描いているが、それ以上にジャーナリズムとは何か、どうあるべきかをしっかり見るものに訴えている。日本でもすでに何の疑いもなく政府や自民党の意向をそのまま流すマスコミや、恐ろしいことに国際的に有名な監督までも事実を都合良く解釈し、権力者の言い訳や責任転嫁を無知な国民に流布しようとする。権力や体制、科学に都合が悪かろうが真実を共有しない限り人類は生存が危うくなる。その第一歩が真実の報道だ。 当時西側の国々はヒトラーやスターリンを正しく評価できていなかった。それが日本も含む大戦へと向かう結果となる。体制や経済を維持する為の真実の改竄、無視、不検証は、将来的には取り返しのつかない結果を招くのは、広島長崎、水俣、福島第一原発事故を見てもわかる。今日もテレビで地元自治体の子育て支援に関する誇大報道がされていた。これも市長の話だけ聞いて、実態を検証していない良い例だ。 作品では描かれないが、ウクライナの事実を報道を許したハーストは、アメリカの日本人移民を新聞で排撃し、戦時中の日本人移民キャンプを実現させた張本人でもある。

  • shu********

    3.0

    プロパガンダ映画

    面白い映画だったが、歴史はここがスタートではない。 NATOの圧力をキッカケに戦争が起きたために、西側がロシアを叩く正当性を醸し出したいために作られたように感じてしまった。

  • tac********

    5.0

    ロシアに搾取されるウクライナ

    ウクライナが長い歴史の間ずーとロシアに搾取されてきた実態が分かる。 彼らが現在のロシアの侵略に徹底的に戦う理由が理解できる。 プーチンの 発言を見ているとソ連は噓で固めた国だったのだ。

  • kan********

    2.0

    ウクライナの歴史で期待したが・・・

    期待外れ。 原因は、構成や描写が荒すぎてついていけなくなる。 ホロドモールの描写も、んなアホな、とツッコミどころ満載。 真面目な話ゆえにリアリティーがなくて残念。

  • stanleyk2001

    4.0

    真実を暴くジャーナリスト

    「『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』(原題:Mr. Jones; Obywatel Jones; Ціна правди)2019。ポーランド・ウクライナ・イギリス合作。 「彼は殺された日に僕に何かを伝えようとしていた。理由はわかる?」 「ポールは頑固な人だった。まるで使徒パウロ。彼は背中を4発撃たれていた。そんな強盗あると思う?」 「強盗じゃないと思うんだね。彼は何を取材しようとしていたんだ?」 「…..ウクライナ」 「スターリンの金脈?でも記者は行けないんじゃ?」 「行こうとして撃たれたの。あなたはポールじゃない。国に帰って」 「これは何の肉だい?」 「兄さん」 「兄さんは漁師なの?」 「(黙って天を向く子供達)」 アドルフ・ヒトラーとヨーゼフ・ゲッペルスのインタビューに成功したイギリス人記者ガレス・ジョーンズは時の首相ロイド・ジョージの外交顧問。ソビエト連邦の経済的躍進の取材のためにモスクワを訪れる。1929年に起きた世界的大恐慌の時代、ソビエト連邦だけが大々的な躍進を世界中に宣伝していたからだ。 しかしモスクワに到着した彼は旧知の記者ポールが4日前に強盗に射殺されたと知らされる。 ソビエト政府に頼み込んでウクライナに入国したジョーンズは随行員(監視)をまいて一人ウクライナの本当の状況を秘密取材する。 当時ウクライナで起きていたのは「ホロドモール」と呼ばれた人為的な大飢饉。ウクライナの穀物を徴発しモスクワに送ることが行われておりウクライナ人は自分達の食糧を得ることができなかった。ソ連の5ヵ年計画が成功している様に見せかけるためにウクライナの穀物を奪いウクライナ人の集団絶滅を行った。死者の数は400万から1400万人と言われている。 スターリンはソ連の5ヵ年計画の成功の為にウクライナ人が死んでも問題ないと考えていた。 このソビエト・ロシアのウクライナにたいする態度とよく似たものがある。 中国・ロシア・大日本帝国が朝鮮半島を自分たちの好きな様に扱ってもいい場所と思っている態度だ。 2022年2月24日ロシアのプーチン大統領はウクライナの東部の州を独立国と承認しウクライナ大統領ゼレンスキーをナチ呼ばわりしてウクライナに侵攻した。満州国で起きた事とそっくりだ。 閑話休題 ジョーンズはソビエト政府に逮捕されるがニューヨーク・タイムズのモスクワ支局長デュランティが「ウクライナの飢饉を報道させない」という条件でソ連と交渉してジョーンズは釈放・帰国する。 デュランティはソ連の5ヵ年計画を報じてピューリッツァー賞を受けた大記者だ。しかしジョーンズはジョージ・オーウェルの励ましを得てウクライナの惨状を発表する。 そして内蒙古の満州国に取材に向かい29歳の生涯を終える。なぜ彼が若くして死んだかそれはエンドクレジットで明かされる。 デュランティの様な親ソ連知識人は沢山いた。彼等は労働者を低賃金で働かせ資本家だけが儲ける資本主義を打ち任せるのは共産主義だと信じていた。だからウクライナ人の犠牲も「大義の前のやむを得ない犠牲」と考えた。オーウェルも最初はそう考えていたが後にソ連を批判して「動物農場」「1984年」を発表した。 孤軍奮闘するジャーナリストは今でも世界のあちこちで政治の腐敗を追及して命を落としている。彼らに感謝し腐敗を許さない声を上げるのが私たち市民の役目だ。 私はウクライナで起きたホロドモールと圧力に屈しないでそれを報道したガレス・ジョーンズの事を忘れない。

  • つとみ

    4.0

    ジョーンズさんがターゲットのドッキリ番組

    この作品はポーランド映画だと思うけど、ドイツ映画のようなシャープで重厚な映像は良かった。 ウクライナに入ると更に色が抜けてモノクロ映像かのようになるのも良かった。 いきなり中盤の話になるが、主人公ジョーンズがウクライナへ向かう列車の中で他の乗客と出会ったとき、彼は鞄の中からオレンジを取り出した。 その時に、飢えていそうなこの人たちにあげるのかと考えてしまった自分は大層愚かであったと気付いた。 物語の始まりはヒトラーの脅威に対抗するために経済が上手くいっているとされるソ連を調べようというものだった。 ソ連の秘密を知ればイギリスも経済を回復させられるかもしれないということだ。 つまり、ソ連へ向かうジョーンズはある意味、社会主義を信じているし、観ている私たちが何となくでも知っている惨状など考えもしていないということだ。 ソ連でのホテルの対応から始まり徐々に何かがおかしいと気付いていくジョーンズ。それでも自分の中の常識からあまりにもかけ離れている事象にすぐさま対応できるわけではない。 多くの映画などで何かが起こったとき、作中のキャラクターが気付いて、その反応を見てそういうことかと私たちが気付く。 それに対し本作は、私たちの方が先に何が起きているのか何となく察していて、あとになってジョーンズが気付く。 つまり、仕掛けを知りながら観ているドッキリ番組に引っかかるジョーンズを観ているようなものなのだ。 そういった意味で本作はちょっと変わった映画だったなと思うのです。 ただ、ジョーンズは「知らない」ということをしっかり認識出来ていないとダメなわけで、しかも認識出来ていたら面白いというわけでもないので、「変わってる」以外の効果はほとんどない。 すごく面白く鑑賞したものの終わってみればそんなにいい映画ではなかったかな?とわからなくなる程度に気持ちは曖昧だ。 それでも猛烈に「動物農場」を読んでみたくなるのは間違いない。 「人は平等。一部の人は更に平等」 何を言っているのか全く意味がわからない。平等って何だ?

  • oom********

    1.0

    ネタバレ見る価値の無いよ

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • bas********

    4.0

    ジャーナリズムの正しさと凶暴性

    私自身が持つ”ジャーナリズムの正しさ”に対する評価と 本作を作った人の持つ評価がかなり近しいと感じる。 ジャーナリズムは政治権力の持つ凶暴性に対するカウンターであり それが正しく発揮される限りにおいて非常に力強いもの。 一方で正しくカウンターとして機能しなかったり もっと悪く政治権力のサポートに回るとより悪辣さを増す。 その点において本作は非常に丁寧に描いていると思う。 特に重要なのは主人公ガレスの記者仲間エイダの行き着く先で 劇中で明言こそされていないものの その当時そこに行くということは…と 意図的に政治権力側に付こうとしたんじゃなくても その側に付かざるをえないかもしれない状況が偏在しているという事を 暗示していてこれもフェアなスタンスだと感じる。 咀嚼音も非常に重要なファクターで 気持ち悪いくらいに劇中強調される。 当然飢饉の過酷さを強調させるためであり もはや何を食べているのか、何を噛んでいるのかも分からないけど 何かを腹に入れなければ正気を失ってしまう、 そんな絶望的な状況の演出に一役買っている。 全体的な語り口としてはやや淡白で間延びしている印象もあるけれど 部分部分で光るシークエンスもあり 前述の通り価値観がかなり近いという所で好印象。 ウクライナ行き列車のシーンとかはかなりサスペンスフルで 伝記映画でありながらサスペンスとしても上質な部類だと感じる。

  • ソロビッチ

    5.0

    ハーストカッコいい 86点

    「お土産です。樹皮だみんなこれを食べてるメダルの横に飾れ」 「放せ、30秒だけやる」ハースト 歴史知識無いと楽しめないだろうけど結構サクサク進んで見易くて良かった。 でも飢饉の様子がこじんまりしてて、ちょっとたまたま貧しい寒村訪れたそだけみたいな感じであんまり壮絶ぽくはなかった。 ラストのハーストはさすがに新聞王なだけあって偉かった。 しかしソ連は本当にヤバいよなーろくでなし達が権力握るとねー 女優ヒロインは良い味出してる美人。 ラブシーンありませんがエロいコスプレの売春婦をパーティーに呼んでますがお尻出してるのはピューリッツァー受賞者やったわ(笑) 86点

  • fg9********

    4.0

    ネタバレホロコーストと並ぶ大虐殺「ホロドモール」

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • MOON

    5.0

    知らなかった

    こういう闇に葬られたことって死ぬほどあるんだろうね… 人間の闇は深い。

  • oce********

    3.0

    ホロドモールを知る

    スターリンが支配していた時代のソ連で、ジャーナリストのジョーンズは疑問を持つ。 世界恐慌の中ソ連だけ反映しているという事実に。 そこで隣国のウクライナに潜入するが、そこは想像を絶する状況にあった。 スターリンの恐怖政治は知られているが、その当時のソ連全容の事情はあまり知られていない。 いわゆる情報戦略であり、今でいうフェイクニュースのこと。 ウクライナに入ったときのモノクロのような変換。 だれも見向きもしない置かれた死体。 そしてあまりの食料のなさに、代用品を食するほど追い詰められた過酷な環境。 これは人為的に行われていた大飢饉のホロドモールを全世界に知らしめた話である。 抑圧されながらも、実体験を報じることの是非。 圧力はいつの時代も起こるものだ。

  • 一人旅

    5.0

    世紀の虐殺“ホロドモール”の真実に迫る

    アグニェシュカ・ホランド監督作。 ポーランドの女性監督:アグニェシュカ・ホランドがヨシフ・スターリン指導下の1930年代のソ連において発生した人為的な大飢饉を題材に描いた実録歴史ドラマで、ソ連に単独潜入した実在の英国人記者:ガレス・ジョーンズ(1905-1935)が目撃する同国の悲惨な実態を凍てつく寒さの映像の中に映し出しています。 世界恐慌により世界中が経済不況に襲われた1930年代前半において、恐慌の影響をほとんど受けずに独自の経済路線・五カ年計画により繁栄の道を突き進んでいるソ連の裏側を紐解いていく内容で、他国の状況とは対照的に好調を維持しているソ連の国内状況に疑念を抱いた英国人記者:ガレス・ジョーンズが報道ビザでソ連・モスクワに潜入し、現地で会った女性記者からの情報に基づき、監視の目を掻い潜って辿り着いたウクライナの雪に閉ざされた大地でソ連政府による穀物の搾取によって猛烈な飢饉に襲われているウクライナの人々の悲惨な現状を目の当たりにしてゆく様子を描いた“極寒サバイバル+歴史・伝記ドラマ”となっています。 1932年から1933年にかけてウクライナ人の居住地域で発生し、推計数百万人から最大1,500万人もの犠牲者が出たとされる人為的な飢饉という名の世紀の虐殺“ホロドモール”の悲惨な真実を現地に赴いた英国人記者の視点により暴き出していくと共に、国際政治の観点から飢饉の事実の認容に足踏みする英国政府vs真実の公表こそ責務と考える英国人記者のジャーナリズムの対決の行方も描かれていきます。 共産主義の親玉・ソ連の虚像と実像に迫る実録歴史ドラマで、『告白』(70)、『映写技師は見ていた』(91)、『太陽に灼かれて』(94)のようにスターリニズムの恐怖の実態に肉薄する力作であります。

  • tcp********

    4.0

    良くできた佳作

    実在の人物、ガレス・ジョーンズ。彼はその後ソ連から入国禁止処分となり、今度は日本の傀儡国家、満州国の取材に赴く。ドイツ人ジャーナリストとともに満州で取材を続けるも、盗賊(ソ連の工作員との説あり)に殺され29歳の若さで世を去った。この映画の中で彼はウクライナ飢饉を取材しているが、できれば彼の死までを脚本に入れて欲しかった。気持ちが悪くなるほど不幸な物語、だからこそ胸を打つ。こういう映画があってもいい、決してヒットはしないだろうけど。

  • Dr.Hawk

    3.0

    ネタバレ私たちは死を待っている

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • pop********

    3.0

    凍える大地

    深刻な状況も、とにかく淡々と描かれているので、恐ろしさや実態はさほど伝わって来なかった。 凍てついた雪の大地など、描写は◎ その時代史を知りたい者としては、申し訳ありまへんが。

  • tam********

    4.0

    苦しいけれど知るべき

    ノンフィクション映画。これが事実とすれば、平和ボケした日本人は見るべきであろう。気持ちのいい映画ではありません。色はないし、ストーリー的にも救いが無いです。 極限状態でのカニバリは、実話が本や映画になっているが、自分だったらどうするだろうと考えた時、やはり生きる本能が勝ってしまうだろうな。

  • ガーディニア

    3.0

    中途半端な闇映画

    世界恐慌時代のあるフリージャーナリストのお話。スターリン時代のソビエトに乗り込んで、ウクライナにてある事実を暴くって内容ですが、そのある事実は控えめに簡略化されて表現されているのが、やりきれませんでした。そこだろ!大事なところは。。  ある事実は「ロシア 大粛清」でググれば出てきますが、とまれ本作はネット上で出てくるものよりもかなり控えめで、中途半端。ウクライナ の地獄な感じがあまり伝わってこないんですよ。かつドラマも、四面楚歌の割になにかこう緊迫感がどうも伝わってこないんですね。  史実ものとしても、サスペンスとしても中途半端。内容は良いのに。きっと演出が悪いのかとも思った。ドイツ人ジャーナリスト役のヴァネッサカービーは不思議な色気のあるキャラクターで結構好きでしたが、全体的には期待したほどではありませんでした。

  • dtm********

    4.0

    ネタバレスターリン政権の不都合な真実

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • j9i********

    5.0

    豚から人へ、人から豚へ、

    ちょっと軽い気分で観たら、始めのシーンから引き込まれた。 餌に必死で喰いつく豚たち。そこから外へ。 一面の黄金色の麦の穂。ぽつんと立つ小さな小屋。窓越しにそれらを映しひとりの男が物思いに耽りつつ書き物をする。 が、この男は主人公ではない。 しかも、男の口から漏れる物語は知る人ぞ知る虚構の物語だ。この映画の物語とどう繋がるのか、ここで察する人もいるだろうし、この段階で理解出来ずとも、いづれこの男が何者で演出の意図も伝わるだろう。 窓。 窓から始まり窓で終わる。 窓には様々な比喩がある。 人々はどの窓から何を見るのだろう。 例え同じ窓から同じ風景を見ているようでも、必ずしも同じものを見ているとは限らない。 床に映る姿、鏡に映る姿。 映像に力を込めたことが伺える。 そして、本作品の主題は、スターリンとソ連の行った政策への今更な批判ではなく、ジャーナリズムへの批判であったと考える。 時は1933年、ドイツではヒトラー率いる国家社会主義ドイツ労働者党(通称ナチス党)が与党となりヒトラーが首相に任命されたが、この時点では、西欧列強と米国は、いまだヒトラーを過小評価していた。しかし、イギリス首相ロイド・ジョージの外交顧問で、ヒトラーとの面談インタヴューの実績を持つガレス・ジョーンズは、ヒトラーとナチス党に危惧し、首相並びに閣僚たちに進言するも一蹴され、顧問を解任される。 ガレス・ジョーンズは首相に対し、当時飛ぶ鳥を落とす勢いのソ連(スターリン)と連携しドイツを挟み撃ちする案も出すが、同時にソ連に対しひとつの疑問も抱いていた。 収支が合わない。 出金が多すぎる。この金はどこから出るのか。 数字から物事の裏を読み取れる人は賢い人だと常々思いますが、兎にも角にもガレス・ジョーンズはソ連に赴く。 ジョーンズが見た世界。 ソ連の恐るべき虚構。 実り多きウクライナの大地でジョーンズが見たもの。母の故郷の姿。 そして、モスクワに集うジャーナリストたちの姿。 ジョーンズは黙らなかった。 しかし、ソ連と西欧及び米国新聞社のモスクワ特派員たちはジョーンズを否定した。 1935年、カレス・ジョーンズは殺害される。 30歳になる前に。 この映画ではジョーンズと対比させる者としてピューリツァー賞受賞のニューヨークタイムズ特派員ウォルター・デュランティに焦点を当てている。描かれる人物像は倦んだ雰囲気を醸したしている。 人は守る者が有れば、信念を挫く。カレス・ジョーンズが口を閉ざさなかったのは、実績を積み重ねた自信と信念もさることながら、若かったからだと思う。これを世界に伝えたとき、まだ20代だとは。意地悪な言い方をすれば未婚でソ連に親族もいないから脅しに屈しなかった。そして怒りの原動力は母親だったのかもとも思う。 でも、だからどうだというのか。 彼は為すべきことをした。 一人のジャーナリストの生き様から学ぶことは多い。 そして、もうすぐあれから100年に近づこうとする今。混沌とする世界と世界の片隅で顧みられず飢え死にしていく人々。棄てられた人々は変わらずいる。鑑賞者は、今ある世界の姿と政治の都合とそれを伝えるメディアに重ねるだろう。 大義の前に小さな正義は退かなければならないのか。 映画の冒頭に映る人物はジョーンズと出会う。 彼の名は、“ジョージ・オーウェル” 彼らが本当に出会ったのかは知らない。 また、この出会いがひとつの物語を生み出したきっかけなのかも知らない。 「動物農場」 読んだのはずいぶん昔で記憶も朧げだ。 親の蔵書だった。 映画の冒頭で物語を紡ぐオーウェルは独白する。 誰にでも理解できる物語を書きたかった 子供でもわかる簡潔な物語を〜 世界が怪物に侵略される話は聞きたくない〜 だが家畜の物語で怪物の物語を語れば皆も耳を貸し理解するだろう〜 “その動物の姿は豚から人へ、人から豚へ、そして再び豚から人へと変わっていった” 事象は時に埋もれても、寓話は口から口へと伝えられ残るのだ。何かを教えるために。 PS ソ連解体によるウクライナの独立が身に染みる。

1 ページ/3 ページ中