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赤い闇 スターリンの冷たい大地で
2020年8月14日公開

赤い闇 スターリンの冷たい大地で

MR. JONES

PG121182020年8月14日公開

つとみ

4.0

ジョーンズさんがターゲットのドッキリ番組

この作品はポーランド映画だと思うけど、ドイツ映画のようなシャープで重厚な映像は良かった。 ウクライナに入ると更に色が抜けてモノクロ映像かのようになるのも良かった。 いきなり中盤の話になるが、主人公ジョーンズがウクライナへ向かう列車の中で他の乗客と出会ったとき、彼は鞄の中からオレンジを取り出した。 その時に、飢えていそうなこの人たちにあげるのかと考えてしまった自分は大層愚かであったと気付いた。 物語の始まりはヒトラーの脅威に対抗するために経済が上手くいっているとされるソ連を調べようというものだった。 ソ連の秘密を知ればイギリスも経済を回復させられるかもしれないということだ。 つまり、ソ連へ向かうジョーンズはある意味、社会主義を信じているし、観ている私たちが何となくでも知っている惨状など考えもしていないということだ。 ソ連でのホテルの対応から始まり徐々に何かがおかしいと気付いていくジョーンズ。それでも自分の中の常識からあまりにもかけ離れている事象にすぐさま対応できるわけではない。 多くの映画などで何かが起こったとき、作中のキャラクターが気付いて、その反応を見てそういうことかと私たちが気付く。 それに対し本作は、私たちの方が先に何が起きているのか何となく察していて、あとになってジョーンズが気付く。 つまり、仕掛けを知りながら観ているドッキリ番組に引っかかるジョーンズを観ているようなものなのだ。 そういった意味で本作はちょっと変わった映画だったなと思うのです。 ただ、ジョーンズは「知らない」ということをしっかり認識出来ていないとダメなわけで、しかも認識出来ていたら面白いというわけでもないので、「変わってる」以外の効果はほとんどない。 すごく面白く鑑賞したものの終わってみればそんなにいい映画ではなかったかな?とわからなくなる程度に気持ちは曖昧だ。 それでも猛烈に「動物農場」を読んでみたくなるのは間違いない。 「人は平等。一部の人は更に平等」 何を言っているのか全く意味がわからない。平等って何だ?

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