ここから本文です

上映中

ミッドナイトスワン (2020)

監督
内田英治
  • みたいムービー 2,644
  • みたログ 8,455

3.93 / 評価:7813件

不寛容な社会が行きつく先は

  • kap***** さん
  • 2020年10月18日 18時03分
  • 閲覧数 1084
  • 役立ち度 8
    • 総合評価
    • ★★★★★

この国では国民の10%がLGBT(自覚のない人も含め)
と言う最近の調査結果があり、単純に当てはめると
衆参国会議員の内70人、プロ野球選手の内90人はLGPTと言うことになります。
映画の主人公の10%はLGBTでもおかしくないわけです。

海外ではLGBTであることをカミングアウトして
活躍している映画人も多いのですが
日本ではお笑いやイロモノの範疇でしか扱われません。
LGBTの人でも社会的に成功している人もいることはいますが
それに触れること自体がタブーになっているようで
死ぬまで公にカミングアウトできない人が大半のようです。

映画では社会から見捨てられて自分だけの力ではどうしようもない人たち
(特に子供たち)が描かれます。

トランスジェンダーがトランスジェンダーとして
周りの目を気にせずに働ける職場が殆どない国で
公的な支援(公助)の対象からは最初から切り捨てられ
自分だけの努力(自助)ではどうすることもできず
家族(共助)からも見放され、行きつく先は「夜の街」しかありません。
景気が悪くなったら1番先に切られるのはここで働く人たちです。

それは若いシングルマザーである一果の母も同じでしょう。

また経済的には恵まれているように見える一果の親友の少女も
家庭の愛には恵まれておらず
親は娘のことをペットの犬と同じにしか見てない
とわかるシーンがあります。

シングルマザーも、LGBTの人、親から虐待される子供も
この国が保護する「標準的な国民」の中には入っていないのでしょう。

よく「標準家庭」と言われる「夫婦に子供二人以上」などと言う世帯は
今の日本には1割もいないのではないかと思います。

海外ではLGBTを題材に多くの名作が作られているのに比べ
日本ではまだまだ取り上げられることの少ない題材ですが
トランスジェンダーの置かれた状況をここまで過酷に描いた映画は
あまりなかったのではないでしょうか。

(この後、若干ネタバレ)
親友の死で動揺する一果が
助けを求めるように「お母さん」とつぶやきます。
やっぱり血のつながりの方が強い、と言うよりも
「MOTHER」などを見てもよくわかるように、
幼い頃から母親が世界の総てで育った子供には
母親と言うのは絶対的なものなのだろうと思います。

物語の終盤、一果の母親が迎えに来ますが
「お母さんは変わったのよ」と言っても
何がきっかけで何故、どう変わったのかが見えません。
実家に連れ戻された後の一果の様子を見ても
変わったようには見えないし
一果は自傷行為を繰り返しているようです。

一果の中学の卒業式、「普通」の親子っぽい様子が描かれますが
この辺の経緯は説明不足で納得感がありません。

薄幸の少女=バレエは昭和の時代の少女漫画以来の定番ですが
新人・服部樹咲の13歳とは思えない手足の長さを生かしたバレエシーンは
どれも息をのむほど美しい。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 悲しい
  • 切ない
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ