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スパイの妻<劇場版> (2020)

WIFE OF A SPY

監督
黒沢清
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3.49 / 評価:824件

普遍と特殊のはざまで

  • 文字読み さん
  • 2020年10月16日 23時58分
  • 閲覧数 1160
  • 役立ち度 76
    • 総合評価
    • ★★★★★

2020年。黒沢清監督。1940年の神戸。商社を経営する男とその妻は趣味で映画をつくるなど裕福な生活を送っているが、軍国主義の足音が身近に迫ってきていた。そんな中、満州への出張から帰った夫の周りで不可解なことが起こり始め、妻は夫を疑い始める、、、という話。

女ができたか、スパイなのか、と夫のことを疑う妻に対して、夫はすべてを告白しつつ、最後には妻を出し抜く。夫は敵味方を越えた普遍的な人間正義に立脚していると言っているが、ひょっとしたら最初から英米のスパイ、つまり、普遍ではなく特殊などちらか一方に肩入れしていたのかもしれない。一方の妻は、すべてを知った後、普遍的な正義と夫とを信じ、決然と行動している。そして、その普遍主義的な行動の対価として、同胞の苦しみを一身に引き受けている。普遍と特殊のはざまで、あいまいなまま霧の向こうへと海上を消えていく夫と、波が打ち寄せる海辺で慟哭する妻。

お互いを疑う場面での陰のあるアップの切り替えしとか、国民的にふるまうと見せかけつつ実は普遍的な決意の表れである和装とか、彼らが撮影している映画内映画で仮面を取るときの表情とか、なつかしく、すばらしい。これぞ映画です。「見る」ことで決定的な変化が起こるという話でもある。

詳細評価

物語
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