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プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵 (2020)

ESCAPE FROM PRETORIA

監督
フランシス・アナン
  • みたいムービー 64
  • みたログ 65

3.74 / 評価:53件

音を知ることでその先にある危険を感じ取る

  • dr.hawk さん
  • 2020年10月30日 23時18分
  • 閲覧数 152
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

2020.10.29 字幕 京都シネマ


2020年のイギリス&オーストラリア合作の映画
実在する反アパルトヘイト活動家2名が南アフリカのプレトリア刑務所から脱獄した実話に基づいている
原作はティム・ジェンキン著作『Inside Out : Escape from Pretoria Prison』
監督はフランシス・アナン
脚本はフランシス・アナン&L・H・アダムス


原題は『Escape from Pretoria』、原著タイトルの一部を使用


物語は主人公の一人、ティム・ジェンキン(ダニエル・ラドクリフ)のモノローグにて、当時の南アフリカのアパルトヘイト政策の実情が綴られる

同志の活動家スティーヴン・リー(ダニエル・ウェーバー)とともに市街地にビラ爆弾を仕掛けるティム

作戦は成功したかに思えたが、二人は即座に当局に逮捕されてしまう

1978年のケープタウンの裁判にて、ティムは12年、リーは8年の実刑判決を受け、プルトリア刑務所に収監されることになった


刑務所を管理するのはシュペネル所長(グラント・パイロ)と看守長のモンゴ(ネイサン・ペイジ)

同じ刑務所には政治犯のデニス・ゴールドバーグ(イアン・ハート)やレナード・フォンティン(マーク・レナード・ウインター)などもいた

刑期を全うする気などさらさらないティムは脱獄計画を練り始める

そして数日後には作業所の木片で合鍵を作ることを考え始めるのである

試すこと74日目、内扉の鍵は開き外側の扉の合鍵作成へと着手する

そして100日目の廊下掃除の際に外側の扉の合鍵を成功させる

だが問題は外鍵は外側からしか鍵を挿せないこと

そこでティムは部屋掃除用の箒の柄にクランチのような部品を合体させて、回転運動による開錠を試みるのであった


物語はエンタメ寄りで、アパルトヘイトにサラッとふれるものの政治的な色はかなり薄い作品になっている

「成功すると分かっている脱獄をいかに困難に見せるか」が主軸となっているが、正直なところ刑務所側のザルさ加減は結構なものがある

当時は防犯カメラもない時代で、活動さえ封じ込めればいい政治犯の脱獄などは考えもしなかったのだろう

事実、先に収監されていたデニスが「良心の囚人」として模倣囚として生活している側面もあっただろう

彼はことある毎に脱獄計画にNGを出してきた経緯もあり、息子と1年で30分しか会えない現状に怒りを覚えるレナードは「デニスを信用するな(彼の言葉を聞くな)」と助言を入れるほど、所内の政治犯は一枚岩ではなかったのである


この映画で肝心なのは「音」である

ほとんどがティムたちの脱獄計画を描いていて、彼らは時折「刑務所内の音」を観察していた

特に看守の足音に耳を澄ませて位置を把握するシーンでは「自然音」以外には「足音」と「呼吸音」しか聞こえない

このクオリティを体感するならば映画館の方が良いかもしれません


物語は404日目にして脱獄を成功させた3人を描くものの、悲しいかなティムは恋人ダフネ(ラティーゾ・マンボ)と再会することは叶わなかった

1992年にアパルトヘイトが終了し、1994年にマンデラ大統領が誕生しても未だに差別の根が深いことは、ロケ地や政治色を排除したエンタメでしかこの内容を描けないことが示しているように感じた


いずれにせよ、アパルトヘイトを学ぼうなどど考えずに「脱出劇が見たい」のであればOKな作品である

ちなみに作れた鍵は9種類、合計35個作ったそうで、最後の10個目は失敗したとみて良いだろう

あそこで力業だったのは笑いどころではあるものの、それよりも刑務所の外扉が開いているとか、外の通りは刑務所前とは思えないとか、脱獄したの起床前なのにたくさんの人だかりとかの方が笑わせてもらった

コメディとして観る見方もあるだろうけど、題材が実話ベースなので微妙なところでありますね

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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  • 勇敢
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