ここから本文です

T-34 レジェンド・オブ・ウォー 最強ディレクターズ・カット版 (2018)

T-34

監督
アレクセイ・シドロフ
  • みたいムービー 12
  • みたログ 58

4.37 / 評価:46件

仕事帰りの気晴らしに観るには重いけど名作

  • mbs***** さん
  • 2020年8月10日 11時12分
  • 閲覧数 462
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

仕事帰りの気晴らしに観るには19年10月公開物(「通常版」)が断然お勧め。
 通常版は戦車アクション中心でエンタメに徹している痛快な脱走劇です。
 登場人物が死ぬシーンは最小限で、住民を避難させるための陽動作戦だったり、なぜか住民を緊急避難させた町での決戦なので住民の死者は出てこなかった。
 痛快アクションとして楽しめます。
 その代わりドラマが薄くて登場人物、特に敵役のイェーガー大佐の人物像が良くわからない。特にラストシーンでとった行動の理由がわからなかった。

 最強ディレクターズカット版(「本作」)は、イェーガー大佐のストーリーやニコライ達ロシア人の出陣までの家族のことも描かれ、何故この行動をとったか?の多くについて腑に落ちます。
 その代わり冒頭の陽動作戦での敵味方の歩兵たちの流血戦死シーンなど戦争の虚しさや悲惨さが描かれている重いシーンが入ります。ロシア人たちの自分語りにも戦争の悲劇が語られます。
 本作は登場人物のドラマが描かれているので、イブシュキンもイェーガー大佐も国を守る良き軍人ということが伝わってきます。きっと平和な時代ならイブシュキンとイェーガー大佐は良く似ているのでよきライバルで友人になれたと思います。戦争がすべての人を不幸にする。

 本作は、終戦の月にこの国をどのような形で子孫に残すべきか。一市民ではあるけれど何ができるか。考えてみるきっかけになる映画です。

 通常版も本作も本物のT34を俳優が操縦し、兵士とヒロインが実車に搭乗し、小型内部カメラで撮影しているので臨場感は半端ない。ヒロインが席に着くまでの動きや装填手の砲弾装填後の動作は実戦そのもの。
 VFXも最高レベルで楽しめた。
 普通の音響設備の映画館で観てしまったので音響については良く解らなかったが、チャンスがあればIMAXなど高品質なスクリーンの映像と音響で観るべきです。

 本作や通常版の、もう一つの魅力は、「ナチ=絶対悪→親衛隊SSの将兵は全員悪魔のような悪党」、という幼稚な描き方をしていないことです。
 逃走中に食糧確保のために立ち寄った村で、装填手が仲間の略奪を制止し住民に物乞いするシーンと決戦時に敵戦車を撃破するため完璧に砲弾を装填するシーンのギャップが、善人を人殺しにさせる戦争の恐ろしさを想像させます。

 本作も通常版も単なる勧善懲悪やロシア愛国映画ではないと思います。
 ただ、通常版はドラマが薄いので勧善懲悪の映画に見えてしまうかもしれません。
 私は本作のほうが好きですが、ちょっと内容が重すぎるし時間が長いかも。



以下ネタバレ






 イェーガー大佐がイブシュキンに人間標的になることを承諾させるため通訳アーニャを撃ち殺すと脅すシーン。イブシュキンが承諾した後引き金を引いたが不発。初めから弾は入ってなくアーニャを殺す気はなかった。アーニャに一目ぼれしていたのだろう。

 一騎打ちの前にイブシュキンが重傷の砲手を救助するため5分時間をくれと呼びかけるときイェーガー大佐に「ニコラウス(聖人の名前、イブシュキンのファーストネームはニコライ、イェーガー大佐はクラウス、ともに聖人ニコラウスにちなんだ名前)5分待ってくれ」と言ったのは敵味方だが共に愛する人を守るために戦う軍人として心が通じ合っていたのか?イブシュキンもイェーガー大佐も相手の言葉はわからずジェスチャーで意思疎通している。
 イェーガー大佐役ビンツェンツの快諾のジェスチャーには、男の色気が有ってかっこいい!

 ラストシーンで握手したイェーガー大佐が一瞬ニヤリと笑ったのはドイツ軍人として脱走した捕虜イブシュキンを確保した満足感からか?敵味方だが心が通じたと感じた満足感か?
 その後、手を離したのは同じ戦車士官としてイブシュキンに対して敬意を持っていたイェーガー大佐はイブシュキンを死の道連れにしないつもりだったのか?それとも、捕虜に助けられるのは軍人の恥と思ったのか?また見る機会があったらこのシーンでイェーガー大佐の足はハッチから出ないように踏ん張っていたか、イブシュキンが引き揚げたらハッチから抜け出せるようにしていたか、よく見て確認しようと思っています。
 イブシュキンは突き付けた銃を外してドイツ戦車に体重をかけイェーガー大佐の握手の合図に応えたから戦い終えて助けるつもりだったのか?

 主役や通訳役のイリーナも魅力的だが、大佐役のビンツェンツの演技は奥が深くとても良い。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 勇敢
  • 知的
  • 切ない
  • かっこいい
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ