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ブラック アンド ブルー (2019)

BLACK AND BLUE

監督
デオン・テイラー
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3.98 / 評価:92件

85点:絶体絶命の黒人女性警官

  • さん
  • 2020年8月1日 21時45分
  • 閲覧数 180
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

面白かった。冒頭から目が釘付けで、展開にスピード感があり、見る者に結末を予想させる余裕を与えない。
 どんどん事態が悪化していき、ヒロインが絶体絶命の状況をどうやって打開するのか固唾を飲んで見守るしかない。
 ストーリー展開は破綻を見せず、最後までぐいぐい惹きつける。
 これは脚本:ピーター・A・ダウリング、監督:デオン・テイラーの勝利だろう。

 冒頭、新任警官アリシア(ナオミ・ハリス)が単に私服でジョギングしているだけなのに、職務質問で白人警官に取り押さえられる。
 これはまさに、今年5月25日ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官に8分46秒膝を首に押し付けられ、「息ができない」と言いながら亡くなったあの事件を想起させる。
 本作は2019年製作なのでこの事件の前であるが、すでにこのような事件は頻発していたのである。
 black lives matter(黒人の命、生活、人生も大事である)という言葉はすでに黒人間では言われていた。この冒頭シーンは、まるで今の状況を予見するようである。

 男の白人と黒人の警官がコンビを組むバディものは良くある。が、バディものでも無く、黒人女性警官が単独で主人公になる作品は今まで見たことがない。
 その点でも本作は出色であり、この設定には大きな意味があると考える。

 アメリカでは人種差別とジェンダー差別に対する闘いは分離して組織されたという。すなわち、黒人女性は人種で差別され、性別でも差別されていて、二重に差別されているのにそれが見過ごされていたのだ。
 平均賃金で見ると、白人男性を100とすると有色男性は73、白人女性は59、黒人女性は57だという。
 また、黒人女性に対するレイプは白人女性に対するレイプより軽い処罰で済むという。

 このように差別されまくりの黒人女性警官が、溢れる正義感で内部から白人男性警官の腐敗に命をかけて闘っていく本作は、単なるエンターテインメントにとどまらないインパクトを見る者に与えるのだ。

 二重に差別されているが決して泣き言を言わない退役軍人のアリシアを、同じく黒人女性のナオミ・ハリスが熱演。演技力もあり、男と渡り合うアクションもできる。
 イギリス出身で、女王陛下から勲章も貰い、007にも出ていてセレブだと思うが、これまでも二重の差別にさらされてきたことはあるだろう。その彼女が演じたからこそ、アリシアは一層輝きを増したのだ。

詳細評価

物語
配役
演出
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音楽

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